2022年5月中旬から現在まで、鉄鋼価格は下落を続けており、この約2か月で1トンあたり300万VND下落している。
最近になってHoa Phat社は、CB240コイルとD10CB300の価格を1トンあたり36万VNDと20万VND引き下げた。Viet Duc社も上記の鉄鋼価格を19万~30万VND引き下げた。一方で、Viet Nhat社は、CB240コイルとD10CB300鉄筋の価格を1トンあたり40万~41万VND引き下げた。上記の3社は今回鉄鋼価格を最も引き下げた企業だ。
Viet Y、Kyoei、Pomiaといったメーカーでも鉄鋼価格が1トンあたり14万~26万VND引き下げられた。これにより、CB240コイルの現在の販売価格は1トンあたり1600万~1650万VNDとなり、D10CB300鉄筋の価格は、1トンあたり1630万~1750万VNDとなった。
5月中旬からこれまでに企業が鉄鋼価格の引き下げを発表するのは、今回が8回目だ。これにより過去2か月で国内の鉄鋼価格は1トンあたり300万VND近く下落したことになる。
鉄鋼価格の下落が長期化している理由は、需要の低迷と原材料価格の低下によるものとみられている。SSI Researchの統計によると、2022年5月までの国内の鉄鋼需要は前年時比で6%減少している。4月と5月だけを見ると、鉄鋼製品の需要は約32%も減少している。
SSI Researchは、需要減少の原因として、鉄鋼とその他の建築資材の高騰によって建設工事が停滞していることを挙げている。さらに、鉄鋼価格がピークに達するとの予測から、流通業者が在庫の備蓄を一時停止したことや、不動産分野への資本流入に対する規制強化も鉄鋼の需要に影響を与えたと考えられている。
国際市場では、ロシアとウクライナの紛争発生後に鉄鋼価格が1.5倍に上昇した後、EUの熱間圧延コイル(HRC)の価格は約35%下落した。中国とアメリカでも、建設と製造活動の低下によって過去3か月間でHRCの価格が15~20%下落している。
原材料についてSSI Researchは、石炭価格が3月のピーク時から36%下落し、鉄鉱石も過去3ヶ月で13%下落したと指摘する。原材料価格の下落によって、鉄鋼メーカーの今後の生産コストが減少するとみられている。
通常、建設プロジェクトにおいて、鉄鋼はコスト全体の20~30%を占めており、建設用鋼材の価格下落は建設会社の負担軽減につながる。長い間、建設業界の利益率は、原材料の高騰と不動産市場と公共投資の低迷の影響を受けてきた。
2022-2023年度において、VnDirect社はインフレ開発の促進、公共投資の増加、住宅用不動産市場の活性化によってベトナム国内の鉄鋼需要が前年同期比で5~10%上昇することを期待している。VnDirect社の見通しでは、建設用鋼材の価格は長期的には平均水準まで徐々に低下する。同社では、建設用鋼材の平均価格が2022年には1トンあたり1610万VNDとなり、2023年には1450万VND程度まで下がると予測している。
出典:13/07/2022 VNEXPRESS
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