ベトナム・ゲアン省、若者流出に危機感
ベトナム中部のゲアン省では、外資系企業(FDI)の進出により数万人規模の雇用需要が生まれている一方、若者が都市部や海外へ働きに出る傾向が続いており、地元で働く人材の確保が課題となっている。省当局は、労働者を地元に引き留めるための対策を強化している。
就職フェアに数万人規模の求人
ゲアン省東南経済区管理委員会は2026年初め、関係機関と連携して2026年第1回就職フェアを開催した。
20社以上の企業が参加し、数万人規模の採用を予定している。
この就職フェアは旧正月(テト)直後に開催され、他の省や海外で働いているゲアン出身者が帰省するタイミングに合わせて、地元での就職を促す狙いがある。
会場には数千人が訪れ、3,000件以上の応募書類が提出された。企業側が積極的に人材を探す現在の状況は、かつての「仕事が少なく人が多い」時代とは逆の光景となっている。
数万人分の求人の中には、高技能人材向けの高収入ポジションも多く、これは同省が近年進めてきた積極的な投資誘致政策の成果とされる。
ゲアン省は2022年、初めてFDI誘致額が約10億USDに達し、その後も全国のFDI誘致額ランキングでトップ10に入る状態が続いている。
工業団地の拡大で雇用需要急増
同省では近年、工業団地の整備が急速に進んでいる。
特に
- VSIP工業団地
- WHA工業団地
などインフラが整備された工業団地には、多国籍企業などの大手企業が進出している。
VSIP ゲアン社のテン・ウェイ・ホン社長によると、同工業団地は着工から約10年で入居率90%以上となり、65社の多国籍企業が進出、約3万6000人が働いている。
さらに2026年には、企業による採用拡大により約7万人の追加雇用が見込まれている。
現在、VSIPゲアン第2工業団地の建設が進んでおり、将来的にはVSIPゲアン第3工業団地の着工も予定されている。これによりFDI企業の進出はさらに増える見込みである。
若者は都市部や海外へ流出
しかし、ゲアン省では長年にわたり雇用不足が続いた影響で、若者が他地域へ働きに出る傾向が定着している。
同省には約160万人の労働年齢人口がいるが、多くの若者が
- ハノイやホーチミン市などの大都市
- 工業化が進んだ他省
- 海外
へ働きに出ている。
現在でもこの傾向は続いており、企業が進出して工場を建設しても地元で労働者を確保できないケースが少なくない。
特に海外就労は盛んで、ゲアン省からは毎年2万人以上が海外で働いており、全国最多レベルとなっている。
賃金・福利厚生の改善が課題
ゲアン省労働総連盟のカオ・グエン・フン副委員長は、若者が地元に戻らない理由として
- 他地域や海外の方が賃金が高い
- 労働環境や社会保障が良い
といった点を挙げる。
また、地元企業の求人情報が労働者に十分届いていないことも課題だという。
同氏は「FDI企業は高技能労働者を魅力的な給与で募集しているが、企業と労働者が情報不足で出会えていない」と指摘し、就職フェアやメディアを通じた求人情報の発信強化が必要だと述べた。
住宅政策などで労働者確保へ
ゲアン省は現在、社会住宅や労働者向け住宅の整備を加速し、労働者が適正価格で住居を確保できる環境づくりを進めている。
また企業に対しても、労働者を「貴重な財産」と位置付け、適正な賃金と安全な労働環境を確保するよう求めている。
同省の計画では、2026〜2030年の間に23万人以上の雇用創出を目指しており、職業訓練を受けた労働者の割合を77%まで引き上げる方針である。
さらに、工業団地の企業ニーズに合わせて職業教育と企業の需要を連携させる仕組みを強化する。
東南経済区管理委員会のグエン・マイン・ロイ副委員長は、労働者を確保するためには
- 賃金制度
- 労働環境
- 社会保障政策
の改善が重要だと指摘する。
今後は地元人材の確保だけでなく、他省からの労働者誘致も進め、ゲアン省を新たな産業拠点として発展させる方針である。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















