数年前に自宅近くのコンビニでアイスキャンディ―を買ったら、原型を留めず平らになってたり、変形していた。やはり暑い国だから、袋から取り出すのも苦労した。日本人だけでなく現地の人もお腹を壊すことが多いとわかった。
そんな頃に日本のフリーザーメーカーと知り合った。日本トップレベルの技術で、-120度の冷却性能があるという。フリーザーとは要は冷凍庫で、中に保冷材を入れると凍る。保冷材はドライアイスや氷の代わりになるので、取り出して様々な用途に使用できる。
調べてみるとベトナムは冷凍・冷蔵輸送(コールドチェーン)が発展・完備中で、ローカル企業に話を聞くと、顧客の要望に応じていると。国の規制やルールなどはまだあまり存在してないようだった。
フリーザーを売ろうと、冷凍倉庫や卸売りの業者、魚や肉の加工業者など様々な所に足を運んだ。日系の物流業者や生鮮食品業者が集まって、日本式でベトナムのコールドチェーン問題を解決しようとする団体もあった。
フリーザーをテストして見せると評価は良いが、1台が数百万円で価格が高いと言われた。そこで日本と同様にリース方式にしようと思い、金融機関にリースでの販売を相談すると、「それは銀行に借金してるだけだろ」とまったく理解されずに断念。リースがダメならレンタルだと思ってライセンスを取得した。市場調査から営業販売、レンタルの開始まで約1年半の月日が流れていた。
先月からレンタルで数台が出始めた。6000VNDのアイスクリームが溶けるのを止めてもらえる日は、いつか来るのだろうか。




















