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ベトナムとデンマークが包括的戦略パートナーシップに格上げ 洋上風力・物流・先端技術で協力拡大

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相とベトナムのトー・ラム国家主席
(C)THANH NIEN

ベトナムとデンマークは2026年10月20日、両国関係を「包括的な戦略的パートナーシップ」に格上げすることで合意した。コペンハーゲンで会談したベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席と、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相が共同声明を採択した。経済・貿易・投資に加え、洋上風力発電などの再生可能エネルギー、グリーン物流、先端技術分野での協力を拡大する方針である。

デンマークにとってベトナムは東南アジアの重要なパートナーであり、今回の格上げを通じて、両国は長期的かつ実質的な協力関係の構築を目指す。

EU加盟国で2カ国目の包括的戦略パートナーシップ

10月20日、コペンハーゲンで会談した両首脳は、これまでの協力実績を踏まえ、双方の強みを生かして二国間関係を一段と発展させる必要性で一致した。共同声明の採択により、両国関係には協力を幅広く推進するための新たな政治的枠組みが設けられる。

フレデリクセン首相は、デンマークがベトナムとの包括的な戦略的パートナーシップを構築するEU加盟国として2カ国目となることを強調し、新たな段階で協力をさらに深める意向を示した。

両国は今後、党・政府間の交流や首脳級を含む各レベルの往来を継続し、政治的信頼を強化する。また、政府機関や地方自治体、企業、国民同士の交流を促進し、既存の二国間協力の仕組みをより効果的に運用する方針である。

EVFTAを活用し、貿易・投資を拡大

経済、貿易、投資は、新たなパートナーシップの重要な柱に位置付けられた。両国はEU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の効果的な履行を進め、市場アクセスの改善や企業活動の円滑化を図る。両国企業が国際的なバリューチェーンやサプライチェーンに一段と深く参画できる環境を整え、二国間貿易の拡大を目指す。

フレデリクセン首相は、ベトナムの投資・ビジネス環境と成長の見通しを評価し、デンマーク企業による経済・貿易・投資面での協力をさらに拡大する意向を表明した。デンマーク企業がベトナムでの事業展開を拡大し、長期的な投資を進めることも支持した。特に、高度な技術を活用し、環境負荷が小さく、付加価値の高いプロジェクトへの参画が期待される。

トー・ラム国家主席は、ベトナムで事業を展開するデンマークの主要企業として、LEGO、Maersk、Pandora、Carlsberg、Vestasなどを挙げ、その存在と貢献を評価した。今後は政策対話や投資促進を強化し、両国間の協力方針を具体的な事業につなげる必要があると指摘した。

洋上風力など再生可能エネルギーを重点分野に

両国は、既存の「グリーン戦略パートナーシップ」を引き続き活用し、エネルギー転換、気候変動対策、持続可能な開発を長期的な戦略協力の優先分野とすることで一致した。

デンマークは、再生可能エネルギーの開発、エネルギー利用効率の改善、公正なエネルギー転換に関する経験や技術をベトナムと共有する用意があると表明した。ベトナムが掲げる2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロ目標の実現も支援する方針である。

トー・ラム国家主席は、ベトナムの政策枠組みの整備やグリーンファイナンスの資金調達を支援するようデンマーク側に要請した。特に洋上風力発電など大規模な再生可能エネルギー事業の推進に加え、「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」の効果的な実施に向けた協力を求めた。

デンマークが持つ再生可能エネルギー分野の技術や知見をベトナムのプロジェクトに生かせれば、エネルギー供給の多様化と脱炭素化に加え、関連産業の育成にもつながる可能性がある。

港湾・物流・グリーン輸送の連携を強化

両首脳は、戦略的インフラ、港湾、物流、環境負荷の小さい海運、サプライチェーンの接続性向上でも協力を広げる方針を確認した。

トー・ラム国家主席は、デンマーク企業がベトナムの港湾システム、物流センター、交通インフラ、グリーン輸送回廊の整備に参画することに期待を示した。

こうした分野での協力は、貿易の拡大だけでなく、ベトナムの物流効率の向上や、国際的なサプライチェーンへの接続強化にも関わる。再生可能エネルギーと並び、デンマーク企業が技術や運営ノウハウを提供できる分野として注目される。

AI・量子技術・バイオなど先端分野にも協力を拡大

両国は、科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)を新たな協力の原動力とする方針でも一致した。

重点分野には、人工知能(AI)、量子技術、バイオテクノロジー、バイオ医療、デジタル技術、新興産業が含まれる。研究開発や技術応用、技術移転を促進するとともに、大学、研究機関、イノベーション拠点、企業間の連携を強化し、高度人材の育成を進める。

このほか、医療、循環型経済、スマートシティー、気候変動への適応でも協力を拡大する。文化、教育、観光、地方自治体間の連携、国民同士の交流も促進する方針である。

フレデリクセン首相は、デンマーク在住のベトナム人約1万8,000人についても言及した。現地社会に溶け込み、地域の経済・社会に貢献していることを評価し、両国の友好関係を支える存在として期待を示した。

多国間協力でも連携、合意の実行が焦点

国際・地域情勢について、両首脳は共通の認識を確認し、国連やその他の多国間フォーラムでの連携と相互支援を強化することで一致した。多国間主義と国際法の尊重を重視し、ASEANとEUの関係を実質的かつ効果的に発展させる方針も確認した。ベトナムは、デンマークとASEANの協力を促進する橋渡し役を担う用意があるとしている。

会談後、両首脳は両国の省庁、関係機関、企業による協力文書の交換式に立ち会った。

今回の格上げにより、両国の協力対象は貿易・投資からエネルギー、物流、先端技術、人材育成まで一段と広がる。今後の焦点は、共同声明で示された方針を具体的な投資案件や技術協力に結び付け、企業と国民双方に実質的な利益をもたらせるかどうかにある。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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