ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

ベトナム固有の「モン牛」を高級牛肉ブランドに 和牛や韓牛に続く国際ブランド化を目指す

ベトナム北部の山岳地帯で飼育されてきた在来種「モン牛(ボー・モン)」
(C)THANH NIEN

ベトナム北部の山岳地帯で飼育されてきた在来種「モン牛(ボー・モン)」を、高級牛肉ブランドへと育成する取り組みが進んでいる。自然に入る霜降りが特徴で、ベトナム北部トゥエンクアン省は農業・環境省や海外の専門家と連携し、飼育技術の改善や品質基準の整備を推進している。日本の神戸牛や韓国の韓牛(ハヌ)のような知名度を持つブランドに育てることが目標だ。

霜降り肉は希少、キログラム当たり120万VNDでも需要

モン牛は、ベトナム北部の山岳地域で古くから飼育されてきた在来種で、「ボー・メオ」「カオバンのこぶ牛」「ドンバン牛」などとも呼ばれる。ベトナムの牛の中でも、筋肉の間に自然な脂肪が入る霜降りの特徴を持つ品種として知られ、きめ細かな肉質や柔らかさ、水分を保ちやすい性質が評価されている。

トゥエンクアン省では、カットリー協同組合が、モン牛の生産から食卓までをつなぐバリューチェーンの構築に取り組む。同組合は約1,000戸の農家と連携し、4,000頭を超える牛を管理している。

牛には個体識別番号を付与し、健康状態や飼育履歴を追跡できる仕組みを導入した。近代的な食肉処理施設にも投資し、農家が飼育したモン牛を全量買い取る契約を結ぶなど、生産者の販路確保と流通の安定化を図っている。商品はスーパーマーケットや小売店にも供給されている。

同組合は2026年7月、投資家と連携し、ハノイ市ザーラム地区のビンホームズ・オーシャンパーク1に隣接するトゥアンアン通りでモン牛専門レストランを開業した。開業から約3カ月で多くの客を集めているという。

同組合のトゥオン・ティ・ホア副理事長によると、モン牛の肉は鮮やかな赤色で、柔らかく弾力があり、肉汁を保ちやすい点が消費者から評価されている。特に希少な霜降り部位は、石鍋で提供する「石鍋フォー」が1杯15万9,000VND、テーブルで焼く料理が1キログラム当たり最高120万VNDで販売されている。

霜降り部位は1頭から数キログラムしか取れず、全体に占める割合も数%にとどまる。商品名「トゥーン・ヴァン霜降り牛肉」は知的財産権の登録を申請しており、高価格帯の商品として差別化を進めている。需要に供給が追いつかず、購入には事前予約が必要な状況だという。

一般部位も市場価格を4~5割上回る

霜降り部位以外の牛肉も、1キログラム当たり60万~71万VNDで販売されている。市場価格を40~50%上回る水準だが、購入する消費者は少なくないという。

家庭向けには、4~6人で楽しめる価格65万5,000ドンのモン牛鍋セットなど、調理済み・加工商品の販売にも力を入れている。都市部の住宅地や集合住宅に住む消費者が、自宅で食べるために購入しているという。

鮮度を保つため、牛は毎日午後11時から午前0時ごろにトゥエンクアン省で処理され、ドライアイスを使って冷却・保管したうえでハノイのレストランへ直送される。

同組合は単なる飲食事業の拡大ではなく、モン牛の価値を消費者に伝え、山岳地域の農家に持続的な収入源をもたらすことを目指している。ホア副理事長によると、ハノイでの店舗開業後、韓国料理や日本料理を提供する複数のレストランからも問い合わせが寄せられ、仕入れに向けた情報収集が進んでいる。

飼育規模よりも、肉質と遺伝的な特徴が強み

ベトナム国立農業大学の元副学長で、同品種を長年研究してきたグエン・スアン・チャック教授は、モン牛は体格や肉の生産量では、ほかの商業用牛種に及ばない面があると指摘する。一方、高地の気候に適応してきた独自の遺伝的特徴を持ち、肉のきめ細かさや柔らかさ、水分保持力などに強みがあるという。

トゥエンクアン省の牛の飼育頭数は約19万7,000頭で、このうちモン牛は約10万5,000頭を占める。同品種は農業・環境省の保全対象となっており、旧ハザン省では、同品種を含む在来牛の肉が「ハザン牛肉」として地理的表示の登録を受けている。

農業・環境省の畜産・獣医部門によると、韓国の専門家の助言を受け、飼料構成を工夫した試験飼育を行ったところ、従来型の飼料で育てた牛よりも霜降りの割合が高まった。飼育方法の改善によって、品種が持つ潜在能力を引き出せる可能性が示されている。

国家ブランド化へ、飼育技術と品質基準を整備

トゥエンクアン省は農業・環境省に対し、国内外の専門家による技術指導を継続し、獣医担当者や農家に飼育技術・管理手順を普及させるよう要請している。また、純血種の雄牛の選定や品種改良、繁殖に向けた評価体制の整備も求めている。

農業・環境省の畜産・獣医局のファム・キム・ダン副局長は、モン牛は遺伝的特徴や体格、健康状態などについて国際的な専門家による評価が進められてきた在来種であり、韓国の韓牛に匹敵する可能性を秘めていると説明する。トゥエンクアン省で飼育技術を導入した試験でも、初期段階ながら前向きな結果が得られているという。

同省は、政治局決議57号の実施計画に基づく研究課題として、モン牛の品種選抜・育種を通じた高品質牛肉の生産を盛り込んだ。畜産分野の戦略的な科学技術課題と位置付け、韓牛や神戸牛のように、国内外で認知される牛肉ブランドへの成長を目指す。

その実現には、地域行政、農家、企業が長期的に連携し、相応の資金と人材を投入する必要がある。従来の経験に頼った飼育から、飼料、飼育環境、健康管理、出荷までを一体的に管理する生産体制への転換も課題となる。

畜産・獣医局は現在、日本や韓国で採用されている牛肉の格付け・品質評価の方法を参考に、モン牛の品質基準の枠組みづくりを進めている。品質を客観的に評価する基準が整えば、農家や企業が目指すべき生産水準が明確になり、ブランドの信頼性向上にもつながると期待される。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN

【ACCESS 独自取材】
ベトナムビジネスの深掘り特集

現場の一次情報から、市場の核心に迫る。
週刊ACCESSが厳選した独自コンテンツ。

最新の特集記事一覧を見る >