ドリアンの収穫最盛期を迎えたベトナム中部高原ダックラック省で、農園主や仲買業者らに金銭を要求する「みかじめ」行為への警戒が強まっている。ダックラック省警察は、収穫・集荷・輸送の現場で発生する不法な金銭要求や威圧行為について具体的な事例を示し、農家や企業、仲買業者に対して毅然とした対応と早期通報を呼びかけている。
ドリアン収穫期に犯罪リスクが高まる
ベトナム有数のドリアン産地であるダックラック省では現在、ドリアンの収穫が最盛期を迎えている。
早朝から夜間まで農園へのトラックの出入りが続き、計量所や集荷場には仲買業者が集まるなど、産地は活況を呈している。
一方で、取引や輸送が活発になる収穫期を狙い、一部の人物が農園主や仲買業者に金銭を要求する「バオケー(bảo kê)」と呼ばれる不法なみかじめ行為を行うケースが確認されているという。
ダックラック省警察刑事警察課によると、最近では複数人で役割を分担し、農園主や仲買業者がトラブルを避けたいという心理につけ込んで金銭や不正な利益を要求する動きもみられるという。
警察が示した6つの典型的な手口
警察は、ドリアン収穫期に発生する「みかじめ」行為として、主に次の6つを挙げている。
①「警備費」などの名目で金銭を要求
自らを地域の管理者や農園・収穫現場の警備担当者などと称し、農園主や仲買業者に「安全管理費」「監視費」「商品の警備費」などの名目で金銭を要求する。
② トラックや取扱量に応じて金銭を要求
計量所や集荷場、倉庫などで、搬入するトラック1台ごと、取扱量1トンごと、あるいは営業日ごとに金銭を要求する。
③ 人員や運送業者の利用を強制
収穫、荷役、運搬などの作業員について、自分たちが紹介する人員を使うよう農園主に強要し、市場価格より高い料金を請求する。
④ 車両の出入りや輸送を妨害
金銭の支払いを拒否した農園主や仲買業者に対し、農園への車両の出入りを妨げたり、輸送ルートを塞いだりする。
⑤ 威圧や脅迫によって要求を受け入れさせる
複数人で集まって圧力をかけたり、言葉による脅迫などによって、被害者に要求を受け入れさせる。
⑥ トラブルを意図的に発生させる
騒動を起こしたり、物品を損壊したり、取引上の対立をあえて煽ったりして、介入する口実を作り、不正な利益を得ようとする。
「警察とつながっている」と装うケースも
こうした人物は、単純に金銭を要求するだけではない。
農園や計量所などに頻繁に姿を見せ、あたかもその地域を管理する権限を持っているかのように振る舞うケースもあるという。
また、地元の知人や季節労働者などを介して農園主に接触したり、複数人で「監視役」「集金役」「脅迫役」「交渉役」などに分かれて活動したりするケースも確認されている。
SNSや電話を使って仲買業者に事前に連絡し、「この地域で買い付けるなら費用を払うように」と要求するケースもある。
さらに、行政機関などとの関係を装い、「警察や当局とつながっている」「安全を確保できる」などと主張して金銭を要求することもあるという。
正規の領収書や契約書などを提示しないまま金銭を求めることが、こうした不法行為を見分ける一つのポイントとなる。
農園主や仲買業者に「絶対に妥協しないで」
ダックラック省警察は、農園主、協同組合、企業、仲買業者などに対し、こうした人物と妥協したり、要求された金銭を支払ったりしないよう呼びかけている。
作業員の雇用や運送、警備などを依頼する際には、契約書やその他の書面を交わし、条件を明確にすることも重要だとしている。
また、農園や倉庫、計量所などへの監視カメラ設置を推奨。脅迫や金銭要求に関する映像、メッセージ、録音なども保存するよう求めている。
不審な人物から脅迫や強要、違法な金銭要求を受けた場合には、速やかに地方当局や警察へ通報することが重要である。
特に、他地域からドリアンを買い付けに来る仲買業者については、事前に現地の事情を確認し、必要に応じて地域の行政機関に相談するよう呼びかけている。
ドリアン産業の成長が新たな課題に
ドリアンはベトナム農業における重要な輸出産品の一つとなっており、収穫期には農園から集荷場、倉庫、物流拠点へ大量の商品が動く。
市場が拡大する一方で、取引金額の大きさや物流の集中を狙った不法行為への対策も必要になっている。
今回、ダックラック省警察が具体的な手口まで公表したことは、ドリアン産業の成長に伴って、農産物の生産だけでなく、集荷・取引・物流を含めたサプライチェーン全体の健全化が求められていることを示している。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN




















