ベトナム、IMD世界競争力ランキングで27位に初登場
スイスの国際経営開発研究所の世界競争力センター(World Competitiveness Center)が公表した最新ランキングで、ベトナムは世界70の主要経済圏のうち27位にランクインした。
同ランキングにベトナムが掲載されるのは今回が初めてであり、経済運営や国際統合の成果を示す結果として注目を集めている。
ランキングは「経済パフォーマンス」「政府効率性」「企業効率性」「インフラ」の4分野、計264項目の指標を基に算出された。
ベトナムは複数の分野で世界上位に入り、
- 経済パフォーマンス:19位
- 企業効率性:19位
- 国内経済:16位
- 国際貿易:6位
- 雇用:11位
と高い評価を受けた。
イノベーションでも中所得国トップクラスの成長
これに先立ち、世界知的所有権機関が発表した2025年版のイノベーション指数(GII)では、ベトナムは139か国・地域中44位となり、前年順位を維持した。
ベトナムは2013年以降、中所得国の中で最も急速に順位を向上させた9か国の一つに数えられている。
また、経済発展水準を上回るイノベーション成果を15年連続で達成している世界でも数少ない国となっており、同じ実績を持つ国としてはインドとベトナムの2か国のみである。
高い経済開放度が競争力を押し上げ
専門家は、ベトナムの競争力向上の背景として政治・社会の安定性と国際経済への高い統合度を挙げている。
現在、ベトナムは17本の自由貿易協定(FTA)を締結しており、多くの主要市場へのアクセスを確保している。
2025年のベトナムGDPは約5,140億USDだった一方、輸出入総額は約9,300億USDに達した。
貿易総額がGDPの約2倍に迫る水準となっており、世界でも有数の開放型経済となっている。
専門家は、国際貿易分野で世界6位という評価は、海外投資家に対する大きな信頼材料になると分析している。
制度改革や行政改革も評価
政府運営の面でも、ベトナムは行政手続きの簡素化やデジタル化を進めている。
改正憲法や土地法改正、地方行政制度改革などを通じて、従来の「許認可中心型」行政から、民間経済の成長を支援するガバナンス型の行政運営への転換が進められている。
オンライン行政サービスの拡充や手続き削減も進められており、投資環境の改善につながっている。
FDI受け入れ能力と技術革新は依然課題
一方で、IMDはベトナムの課題として、生産性、技術導入能力、イノベーション力が潜在能力に達していない点を指摘した。
また、国際投資分野の順位は53位にとどまり、海外直接投資(FDI)を受け入れ、国内産業へ波及させる能力には改善余地があると評価されている。
専門家は、半導体、人工知能(AI)、ソフトウェア分野の人材育成を加速するとともに、研究開発投資や技術移転を促進する制度整備が重要だと指摘する。
ベトナムでは近年、ハイテク産業への投資誘致が進んでおり、世界的な半導体企業による研究開発拠点設立の動きも見られる。
今後は制度改革の継続とイノベーション環境の整備が進めば、ベトナムは世界競争力ランキングでさらに上位進出する可能性があるとの見方が示されている。
専門家「世界トップ20入りも視野」
専門家からは、ベトナムの制度改革や市場経済化の進展は着実に成果を上げているとの評価も出ている。
ただし、研究機関や大学における挑戦的な研究開発への投資、人材登用の柔軟性向上など、イノベーションを後押しする環境整備は依然として重要な課題である。
こうした改革が着実に進めば、ベトナムは今後数年以内に世界競争力ランキングでトップ20入りを目指せるとの期待も高まっている。



















