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ベトナムビジネス特集Vol147
タイミングは逃さない!
最先端トレンドをベトナムへ

日本や世界の先端的なサービスをベトナムで始める場合、その投入時期も重視される。早くても遅くても機会を逸するうえ、ベトナムは変化や流行のスピードが速い。トレンドはどのタイミングで市場に伝えればよいのか?

NEXT MEATS VIETNAM
ベトナム代表 玉田宜生氏

世界で広がる植物由来の代替肉
ベトナムで量産が始まった

 大豆などの植物性原料や細胞培養によって肉の食感や風味を出す、肉ならぬ肉の代替肉。ベジタリアンやヴィーガンだけでなく一般消費者に急速に広がり、各国のレストランで提供されるようになった。健康意識の高まりも理由だが、畜産による環境破壊や人口増による食糧危機の解決策としても注目されており、大手からベンチャーまで多くの企業が開発に乗り出している。

 2020年の設立と若い企業ながら存在感を示しているのが、代替肉専業メーカーのネクストミーツだ。「NEXTカルビ」や「NEXT牛丼」の小売販売、焼肉チェーン店への代替肉の卸を始め、アメリカ、フランス、台湾、香港、シンガポール、インドでも販売している。

 ベトナムは2021年3月にダナンに進出し、同年12月に自社工場を竣工。進出の理由は市場の将来性や人件費の安さなどのほか、近隣諸国へのアクセスの良さと、新型コロナによる価値観の変化を挙げる。

「中高年は病気を意識して、若者はポップな知識として健康への関心が高まりました。今後の高齢化も見据えて有望な市場だと判断しました」

 代替肉の主な食材は大豆を原料とするTPP(テクスチャープラントベースプロテイン)。これを日本から輸入し、蒸す、揚げるなどの製法で食感を作る。そこにニンジン、セロり、ショウガ、玉ネギ、リンゴ、サトウキビなどで作った野菜スープのブロスを合わせる。

 日本ではアミノ酸や酵母を使うが、ベトナム人は化学調味料に敏感なことから、幅広く受け入れられる野菜からうま味や風味を付けている。日本のたまり醤油も味付けに使うが、醤油の原材料は小麦なのでグルテンが含まれる。そのため小麦を含まないグルテンフリーの醤油を使うという徹底ぶりだ。

 商品は「カルビ2.0」と「牛丼1.2」。ここ数ヶ月の平均で1ヶ月に約500㎏(5000食分)を生産している。1ヶ月に3tの生産能力があるが、添加物がないので冷凍庫に保存してもあまり日持ちせず、フル稼働はさせていない。

1年をかけて作ったビジネス
味付けもターゲットも変化

 ベトナムには野菜や豆腐など植物性の食材で作る精進料理が根付いているが、代替肉という市場はなく、NEXT MEATS VIETNAMの知名度もなかった。そのため、どの地域にどんな層が住み、どのような店やメニューがあるかなどの検証作業からスタートした。

 また、ベトナムでは地域で味付けが異なるので、サンプルを通じて興味を持ったレストランのオーナーや一般消費者に商品を試してもらった。こうして味覚を決めるのに約1年が掛かり、完成したのがベトナム版のカルビ2.0と牛丼1.2だ。

「現在はハノイとダナンを中心に、ヴィーガンレストラン、フュージョンレストラン、タコス店、寿司店、ファストフード店などのレストランと小売店を合わせて8社、12店舗に卸しています」

 代替肉は説明するのが難しく、カルビも牛丼もベトナムでは知る人が少ない。そこで商品が美味しく食べられる店舗の成功モデルを作ってきた。店側も協力して独自メニューを考えた。牛丼ならハンバーガー、パスタ、サラダに使うなどで、双方で知識とレシピを共有し合った。

「課題はBBQレストランなど肉をメインに使う店で、競合すると思っていました。しかし、ハノイのフレンチタコス店でタコスに使うとバカ売れしたのです」

 新型コロナ禍でのデリバリーサービスへの切替え、ロックダウンによる健康志向の高まりなどの要因もあったと語るが、肉好きの人が集まるレストランも対象と考えるきっかけになった。

 ターゲット層も変った。当初はベトナム人の富裕層、欧米人、日本人などが対象だったが、富裕層は最初のアプローチに失敗すると修正が難しいとわかり、新型コロナで外国人観光客は入国できず、駐在員は海外から戻れなくなった。

 一方、ベトナム人の中間層は健康意識の高い人だけでなく、新しくて体に良い文化食として代替肉を食べるとわかり、ターゲットをこのボリュームゾーンに切り替えた。一般的に代替肉は価格の高さが課題だが、牛丼1.2は120g、カルビ2.0は80gの1食分で5~6万VNDと安価だ。

「野菜などの現地調達率が約9割なのでリーズナブルな価格にできました。将来はもっと安くできると思います」

シェア1%の50億円が目標
数字が証明する市場の拡大

 新型コロナ前の2019年のデータだが、ベトナムの食肉の市場は5兆円で、5年以内で1.5倍に伸びる予測で7.5兆円。ここから代替肉の潜在市場は1年に1.4兆円と推測でき、その内の3割が植物由来の代替肉市場として、その1%となる50億円の獲得を目指している。

 ただ、検証に試行錯誤が続いて、これまでは積極的に事業を広げてこなかった。現在は、レストランが差別化できるような独自レシピや味付けのアドバイスをしており、パートナーとなる複数のレストランが開店を予定している。

「これから最大の商圏である南部を攻めます。増えてきた観光客向けにもチャレンジしたいですし、色々と仕掛けを考えています」

 個人にもアピールを始めた。同社の商品は冷凍からの再現性の高さに定評があり、味も好評だ。牛丼なら湯せんしてから少し炒めるとより美味しくなるが、手間を掛けて冷凍食品を食べる中間層が少ないとわかった。そこでインスタグラムやFacebookで様々なレシピをアップしている。以前からのレストランでの代替肉レシピの試食会は、今後も月1回のペースで続けていく。

「代替肉の市場は必ず伸びます。各国で調査した数字が証明していますし、ベトナムには精進料理という市場が既にあり、代替肉が新しく加わる。まずは健康な植物性の肉としてのポップな認知を目指します」

VJ COLORS FASHION
Brand Senior Specialist 吉田政弘氏

破棄される商品に心が痛む
フランチャイズで2店舗出店

 欧米発で市場が広がり、日本でも出店が止まらない「オフプライスストア」。様々なアパレルメーカーから主に現金で在庫品を買い取り、格安で自社店舗やECで販売するビジネスだ。アパレル業界は新型コロナの影響で在庫が増える中、環境面から在庫破棄が問題視されており、オフプライスストアは今後も活躍の場を広げそうだ。

 現金購入した商品を叩き売りする「バッタ屋」とは違って、独自の工夫をしている。市場に正価品と格安品が混在して商品のブランド価値が損なわれないよう、顧客と相談して販売する店舗や方法を決めたり、商品のブランドタグを切り取るなどの対応だ。

 日本のオフプライスストアの出店第1号となるのが、株式会社shoichiの「Colors」だ。2020年12月にハノイのキンマーにオープンした。その仕掛け人とも呼べるのが、日本で長くアパレル業界に携わり、ベトナムではホーチミン市のアパレル企業に勤める吉田政弘氏だ。在住日本人女性はファッションの選択肢が少なく、日本ブランドを安く提供したいと考えた。

「一方で、愛情を込めて作った商品が、売れなかったという理由で乱雑に扱われることに心を痛めていました。だから、様々なオフプライス商品を扱うshoichiさんに出店をお願いしたのです」

 Colorsはマレーシアに4店舗、カンボジアに3店舗あり、日本国内店を含めてshoichiによるフランチャイズだ。ベトナムではshoichiの代理店としてVJ COLORS FASHIONを設立し、同社とフランチャイズ契約を結んでColorsを出店。店舗のオーナーはベトナム人で、吉田氏は内装、ディスプレイ、店舗運営、価格設定などのアドバイザーだ。

 2022年3月にはホーチミン市のレタントンに出店。現在では日本からハノイに届いた商品をキンマー店、レタントン店、卸をしているアパレルショップの3方向に送っている。商品は2ヶ月に一度船便で到着し、倉庫に保管した後、1ヶ月に2回程度配送する。お客にとっては半月ごとに新しい商品が店に並ぶことになる。

仕入れ、価格、店内…に工夫
ベトナム女性が大量に購入

 Colorsの仕入れには特徴がある。計画生産ではないのでブランドや色は選べず、商品はトップス、ボトムス、ワンピースの3種類から依頼。枚数の希望は出せるが、サイズが揃うかはわからない。逆にこれが品揃えを豊富にしており、店内にはブランドやデザインの異なる服が200~300枚揃う。

「毎回、届いたケースを開けるのが楽しみです。思わぬ商品が出てくるので、開けてびっくりです(笑)」

 こうした新品の日本のブランド品を、日本で約2000円のTシャツが10万VND、約2万円のコートが50万VNDといった破格で販売。その価格は、ピンクが10万VND、白が20万VND、オレンジが30万VND……とハンガーの色で示している。

「お客さんが一番知りたいひとつが値段です。Colorsなので色で分けました」

 こうすると値札を付ける手間がなくなり、値下げの際にはハンガーを変えるだけで済む。Colorsが商品を捨てたら本末転倒になると、売行きの落ちた商品は値下げをしたり、Buy 1, Get 1 Freeの形で無料で提供しているのだ。

 ターゲット層は30代以上の日本人女性。そのためキンマー店は日本人が良く利用する日系スーパーの近くに出店したが、ベトナム女性が予想以上に多く来店した。しかもその7~8割は10枚以上と大量に買っていく。

 調べてみると近所の小マンション、カフェ、ショップなどの女性オーナー、いわゆる「小金持ち」が来ているとのこと。Facebookで個人販売するためにまとめ買いする人もいるようだ。

「商品でいっぱいになった紙袋を両手に下げて帰る人もいます。ここまでベトナム人に売れるとは全く想像しませんでした」

 Colorsの店舗は小さい。服のサイズが多くないので十分なのと、広くしてスタッフが増えると価格が上がるからだ。両店ともにオーナーが1人で管理しており、固定費を抑えて損益分岐点を低くすることで、フランチャイズ化も進めやすくしている。

「ハノイは割と保守的な人が多く、20代もワンピースを良く買っています。ホーチミン市はカジュアルな服が売れて、ちょっとカジュアルな感じがします」

メンズ、食器、雑貨も計画中
東南アジアならどの国も有望

 キンマー店は新型コロナによる閉店期間もあったが、今年のテト明けから売上が伸び始めた。うまく事業が回ってきたので仕入れを増やす考えもある。輸送費はほぼ変わらないため、商品が豊富になると同時に価格を下げられるからだ。

 海外への輸出が増えるのはshoichiにとってもメリットが大きい。日本国内での販売よりも他国のほうが、市場で正価品と競合するリスクが圧倒的に減るからだ。今後は2つの店をモデル店舗として、商品やディスプレイを広く見てもらい、フランチャイズ店を増やしていく。

 男性向け商品もスタートさせる。地場の紳士服オーダーメード店に依頼して、日本人向けのオリジナルメンズシャツを7月初旬から販売予定。ベトナム製のメンズアパレルも揃えたいと、会社で着られるベーシックなラインナップのセレクトも始めた。

「shoichiにはアパレル以外の商品もあるので、食器や雑貨を仕入れたいですね。店内販売とショップへの卸を考えていて、食器を輸入するライセンスを取得中です」

 オフプライスストアはベトナムでも有望だと吉田氏は語る。アパレルショップは外資系の進出もあって増えているが、世界の縫製工場でもあるベトナムでは、在庫破棄の問題が顕在化するかもしれない。

「何より良質の商品を安く販売できます。日本企業との提携を前提とすれば、日本人のサイズが合う東南アジアならどこでも有望市場でしょう」

NRS Raiza Logistics Vietnam
General Director 駒場充洋氏

製造業で多用される化学品
ニーズの増大で安全に備え

 日本では危険物に指定された化学品などの輸送や保管には、専用のトレーラーや倉庫が使われている。危険物取扱者などの各種資格を持ったドライバーがタンクローリーを運転し、化学品を専用倉庫で保管するなどだ。この世界的な基準がベトナムで本格化しつつある。

 NRS Raiza Logistics Vietnamは今年1月、ハノイ都市圏とハイフォン港を結ぶ国道5号線沿いのフンイエン省ミンクアン工業団地内に、化学品専用倉庫を開業した。同社の親会社は化学品の物流事業で75年の歴史を持つ株式会社日陸であり、ベトナムの法規制だけでなく日本の消防基準も加味した倉庫となっている。

「2018年に現地法人を設立し、関連省庁などとの調査や議論に約2年をかけて、2020年5月にようやく許可が下りました」

 化学品倉庫は一般品倉庫以上に火災や爆発の危険性が高く、外資系企業がこのライセンスを取得するは非常に難しい。

 しかし、工業発展のためには化学品の使用が不可欠であり、ニーズが増えていく一方で、物流への備えが必要となってきた。今回のライセンス取得は、同社の日本での専門的な経験とオペレーションのノウハウが認められた形だ。

「化学品は多種多様で、塗料、接着剤、溶剤、腐食性物質などの化学品もあり、ベトナムでの製造業を中心に多くの業界で使われています」

 二輪や四輪の製造で言えば、塗料や溶剤、製造部品に必要な鍍金のための化学品などがあり、ステッカーを作る工程にも接着剤などの化学品が使われる。当然ベトナムでもこれら化学品は日常的に輸送や保管がされており、輸送については日本と同様に道路交通法で規制されている。

 例えば日本では危険物を運ぶトレーラーには「危」マークが付けられるが、ベトナムにも同じ制度があるそうだ。ただ、日本ほどそうした車両を見かけない気もする。

「それが我々の進出理由です。ベトナムでは化学品に関する法整備が進んでいますが、法律もシステムも曖昧な点が多くて危険です。日本や他国での経験が生かせると思いました」

先行者になるタイミング
化学品を保管したい企業

 時代が変化し、法整備が始まり、省庁との利害が一致する時期での申請が好機となった。駒場氏も語る。

「10年前なら時期尚早であり、絶対に許可は出なかったと思います」

 日陸はアメリカ、ヨーロッパ、中国、アジアなどに進出しており、国の環境や状況、タイミングが事業を大きく左右するという。その中でベトナムはこれからの市場であり、事業の柱となる倉庫の完成で、化学品の輸送、保管、通関を含めた総合物流サービスを提供していく。

 主な顧客と想定しているのは製造業や化学品の卸をする商社。化学品は輸入が多く、ベトナム到着後に保管する倉庫がないため、エンドユーザーまで直送されることが多い。そのため在庫が増えてしまい、ジャストインタイムの管理が難しくなる。化学品専用倉庫があれば自社以外に保管でき、商社であれば適正な単位で小出しに販売できる。

「船便での輸送は昨今のコンテナ不足もあって到着時期が不安定です。弊社の倉庫はそれを解消する受け皿にもなります」

 サービスは始まっており、問合せも急増している。大きく2つの業態に分かれ、ひとつはこれから化学品ビジネスを始めたい日系の商社。化学品の輸出入ライセンスが必要となり、取得には在庫を置く場所を申請するが、その保管倉庫としての利用だ。

 もうひとつはローカルの製造業。化学品の法律が昨年新しくなり、取締りが厳しくなった。現段階の生産に使わない化学品は安全に管理できる倉庫に移す指導が始まっているようで、そのための倉庫としたい問合せだ。

「化学品保管の価格は一般品に比べると高めですが、それに見合う安全と品質を提供いたします。また、保管以外の物流をトータルで請け負うことで価格を工夫できると思います」

2023年に第2期を着工予定
ニッチな業界だが必要不可欠

 化学品専用倉庫は敷地面積1万2000㎡で、蔵置面積が1200㎡。日本では危険物倉庫の延床面積は1000㎡以下と定められているので、その最大規模より少し大きい。ベトナムでの進出先は日本や韓国の大手メーカーと関連サプライヤーが集中する北部を選んだ。

「業種が似ていると使う化学品も類似し、倉庫内の部屋の構造をよりシンプルにできます。多種多様な業種が多い南部では対応が難しくなる可能性がありました」

 倉庫は事故で爆風が起きても天井に抜ける構造で、近隣の建物や人に直接被害が及ばないようにしてある。また、敷地の四隅に溝が切ってあり、倉庫から化学品などが漏れても周囲に流れ出ない。こうした点は従来の倉庫と同じだが、日本での経験から作業のしやすさやより安全な取り回しのための若干のカスタマイズをしている。

 また、日本での危険物取扱者に当たるベトナムの化学取扱者ライセンスをスタッフ全員がを取得しており、日本人の貨物取扱い専門家がオペレーションの管理をしている。

 この倉庫は第1期の完成であり、2023年に第2期の2500㎡を着工する予定。1棟目の運用で顧客からのニーズを吸い上げ、2棟目の具体的なプランを考えていく。

 化学品など危険物の輸送や専用倉庫は市場として広がると見ている。許認可のハードルがかなり高いので参入企業は限られるが、ベトナムの法規制は世界基準に近づいており、安全性が一層求められてくるからだ。

「ベトナムの経済発展に必要な品質・安全を基盤とし、お客様に満足いただける化学品物流サービスを提供してまいります」

ENEXFLEET VIETNAM
ENEFLE CAR BEAUTY店長 吉見将司氏

イオンモール開業で初出店
メインはガラスコーティング

 車の塗装面に皮膜を形成して傷や汚れから車体を守り、新車のような状態を長期間維持するカーコーティング。以前は車の汚れや艶出しにはワックスが使われていたが、効果は一時的で、実はデメリットもあった。車を大切に扱う人が多い日本では現在、新車を購入してすぐにコーティングを依頼するユーザーも増加中だ。

 自社店舗だけでなくガソリンスタンドなど代理店とともに、日本にカーコーティング市場を広めてきたのが、KeePer技研株式会社だ。その独自技術である「KeePerコーティング」は日本で知名度が高く、施工をするには資格が必要となる。そのため、同社は全国にトレーニングセンターを持ち、各種スクールを運営している。

「私はハイフォンで働くため、日本のKeePer専門店で研修を受けて、コーティング技術1級と2級を取りました」

 日本全国でガソリンスタンド「エネフリ」を展開するエネクスフリートもKeePer技研と提携しており、親会社の伊藤忠エネクス株式会社と合弁で2020年6月、ハノイにENEXFLEET VIETNAMを設立した。その後、イオンモール ハイフォン レチャンの開業と同時に2020年12月、イオンモール内にカーコーティング専門店の「ENEFLE CAR BEAUTY~Japan Style~」を出店した。

 サービスのメニューは多いが、ここではメインのカーコーティングに注目する。コーティングには樹脂系とガラス系があり、価格が高いセラミック系はベトナムに輸入していない。中心となるのはガラス成分が入ったガラスコーティングだ。

新型コロナで研修に集中
純水手洗い洗車が人気

 料金は車のサイズで異なり、一番小さなMサイズでガラスコーティングの「Crystal KeePer」が270万VND、「Diamond KeePer」が800万VND、「W Diamond KeePer」が1200万VND。使う溶剤は同じだが、サービスによって使用量と施工の仕方が違う。

「Crystalはガラスの被膜を形成します。Diamondはその上に撥水効果のあるレジン皮膜をコーティングし、W Diamondではレジン皮膜が2層になります。より艶が出てきれいに仕上がります」

 これらはボディへのコーティングで、窓ガラスやホイールを含めた車の全体をコーティングする「Diamond KeePer Premium」は1200万VND、「W Diamond KeePer Premium」は1800万VNDになる。耐久年数はCrystalが1年、Diamond、W Diamondが3~5年程度とかなり長い。

 使用する機材や溶剤は日本から輸入しており、施工するスタッフ5人はKeeper技術検定の取得者だ。つまり、日本と全く同じサービスをベトナムで展開している。また、サービスの価格は高額に思えるが、日本の8割程度に抑えている。

 新型コロナの影響で事業は変化を余儀なくされた。国際便の規制でスタッフが日本に渡航できなかったため、技術資格はKeePer技研がオンラインで確認して了承した。そのためのトレーニングはイオンモールが数ヶ月閉鎖していた時期を利用して、前任の店長が付きっきりでスタッフに教えた。

「人材は想定以上に育ちましたが、この間の売上はゼロ。厳しかったです」

 先進国のハイレベルだが高額なサービスに、ベトナム人はどのような反応をしているのか。今年4月の販売データを見ると、最も多いのが「純水手洗い洗車」(Mサイズ15万VND)で、次が樹脂系コーティングの「Pure KeePer」(同80万VND)だった。

 洗車は不純物を除去した純水で仕上げることで車体に透明感が出て、水しみを作らない効果があり、日本でも人気のサービスだ。

「洗車サービスはベトナムでも一般的で、ハノイには日系企業も数社あります。この周囲の洗車店は5万~10万VND程度で車内清掃が付きますから、健闘はしていると思います」

サービスが根付くまで後5年
市場を作っていく準備の段階

 一方、カーコーティングを依頼するのは富裕層が多く、スタッフがメニューを説明しても、「とりあえず一番高いのを頼む」といった人もいるという。こうしたユーザーの満足度は高いものの、多いのはイオンモールでの買物の前後に洗車だけ頼むケースで、カーコーティングはまだベトナムに根付いていないと考えている。

 ハイフォンにもコーティングを施工する洗車店が結構あり、価格は1500万VND程度と同社と変わらない。比較すれば日系の最新サービスを選びそうだが、カーコーティングに興味を持つベトナム人が稀なのだろう。

「ベトナム人にカーコーティングを聞くと、セラミックという単語が返ってきます。つまり、知識はあるようです。ただ、地場の店舗でセラミックコーティングと語っていても、視察するとあれはガラスコーティングですね」

 ベトナムでは洗車は手洗いが普通だが、日本では数百円で洗車機が利用できる。だから日本では純水の手洗い洗車が人気なのだが、ベトナムでも洗車機が普及して、手洗いの付加価値が高まれば、次のステップでカーコーティングが始まると見ている。

 ベトナムの2021年の新車販売台数は新型コロナの影響で30万台を割り込んだが、今年に入って大きく挽回している。自動車台数が増えればカーコーティングのニーズ増も期待できる。

 少しでも認知度を上げるため同社では、Facebookで情報を発信し、ハイフォン市内の3ヶ所に看板を設置し、チラシも配っている。今後は日本側と連携してYouTubeも始めるつもりだ。

「カーコーティングのサービスが本格的に浸透するまで5年はかかるでしょう。今はその準備段階であり、ハイフォンからコーティング文化を根付かせたいですね」