ベトナムビジネス情報Vol.155私たちに意見あり！メディアのアイデア

大手オンラインニュースサイトのVnExpressには、経済学者、ビジネスマン、研究者、ジャーナリスト、医師など多彩な著者が様々な発言をするコーナーがあり、読者もコメントを書き込んでいる。反響の大きかった彼らのアイデアをピックアップ！

「ワールドカップのゴール」　ビジネスマン　140コメント

　ベトナムは2030年FIFAワールドカップの決勝トーナメント進出を目標に掲げている。私がもしベトナムサッカー連盟（VFF）の会長なら、選手の増加を目標にするだろう。

　現在のベトナムは1部リーグのVリーグが13チーム、その下が12、次が14、一番下で16チームあり、1チーム20人の選手に対して年間約1100人の選手しかVFFの監督の下でプレーできない。これは少ない。

　私がモデルにするのは定期的にワールドカップに出場しているメキシコだ。注目する人は少ないかもしれないが、人口は約1億3000万人、公式リーグは4つで18、18、44、225チームと多い。メキシコサッカー連盟（FMF）は非公式ながら年間を通じて無数のチームをサポートする責任があり、合計で約32万4000人の登録選手と、推定815万5000人の正規の未登録選手がいる。

　このように選手たちの幅広いコミュニティを作り、公式大会の数を大幅に増やし、選手が定期的に参加できるようにする。例えば、各地区にチームがあれば500チーム、各コミューンにさらに1つ下位のチームがあれば1万チームとなり、VFFは約20万人の選手を育て、選抜することになる。

　資金はどうするか？　ベトナムでの選手の年俸の高騰は人数が少ないからだ。地域単位で移動や宿泊施設などを提供し、選手はジャガイモとキャッサバの代金を支払ってプレーする。地区大会では地域がフィールドや審判を用意する。VFFは育ったスター選手をアピールして、スカウトは自由に足を運べばいい。プレミアリーグを真似するだけじゃダメなんだ。

「コーヒーとフォー」　ジャーナリスト　138コメント

　私はアメリカでの交流会や勉強会で、「ベトナムは今、スターバックスにコーヒーを提供している最大の国の1つです」と自国を紹介している。アメリカ人でスターバックスを知らない人はいないが、多くの人は「ベトナム」と聞いて戦争とフォーを思い浮かべるからだ。

　そのフォーだが、アメリカのスーパーにベトナム産のインスタント麵はなく、ラベルには中国、タイ、日本の企業が書かれている。チリソースやナンプラーのボトルにはタイ語、中国語、英語だ。

　外国の友人たちはフォーを食べたと自慢げに話す。私もアトランタの食堂街で美味しいフォーを食べた。税金とチップを含めて17USD程度で、高級レストランなら20USD以上する。ただ、調理人はベトナム人でも、食材やスープはアメリカや他国の企業のものだ。カンボジア人、タイ人、フィリピン人などもたくさん「ベトナム風フォー」を売っている。

　グローバリゼーションはベトナムにスターバックスをもたらしたが、ラーメンも寿司もキムチもトムヤムクンもできたように、同じアメリカ市場で「本物」のフォーを提供できないか。ハンバーガーやフライドチキンと同じように経済産業にもなり得るだろう。

　ベトナム発祥のフォーやコーヒーが人気のこの国で、フォーは長年、国家的な料理ブランド育成の計画的な戦略ではなく、小さな個人商店の形でしかアメリカに進出していない。十分な決意と知恵があれば、ベトナムはフォーとコーヒーで癒されるはずだ。

「旅行者が抱く7つの不安」　会社社長　347コメント

　外国人観光客の誘致に長年取り組んできた私たちは、かつて「WOWベトナム」キャンペーンを展開し、国の強みを7つ挙げた。V：変化に富んだ風景、I：土着文化、E：エキゾチックなビーチ、T：時を超えた魅力、N：自然遺産、A：古都、M：ずっと大切にしたい思い出、である。

　しかし、海外からのお客様と接する中で、7つの不安を抱えているとわかった。強盗、盗難、交通渋滞、交通事故、接客態度、汚れたトイレ、環境汚染だ。観光業はGDPの10％以上と貢献しており、抜本的な解決策が必要である。

　1つめは国家ブランドの再構築だ。ハイクラスで本物のユニークな旅行体験の提供。自然観光ならより興味深い新しい体験ができるようにインフラを改善し、利便性を高める。日本や韓国などからのリッチな観光客や高齢の観光客への対策も必要だ。

　2つめは中央から地方までの、観光管理のインフラとデジタルアプリへの投資だ。省庁、セクター、機関の間では数字で話そう。例えば、単に観光客の人数でなく、彼らが使う外貨の額を重視する。飛行機からリムジン、ホテルまで直行できれば観光客は喜んでお金を使う。

　3つめは清潔で緑豊かで持続可能な観光地の管理と、観光客を迎える国民一人ひとりが大使になること。笑顔で歓迎する税関職員、些細な欲を捨てるタクシードライバー、ポイ捨てしない地域住民……。長期的な発展戦略と親切な気持ちがあれば、目標をはるかに超える観光立国が実現するはずだ。

「お金を稼ぐために海外へ」　戦略コンサルタント　115コメント

　2022年末から2023年初めにネパール、インド、オマーン、アラブ首長国連邦（UAE）を旅した。感じたのは南アジア諸国（インド、バングラデシュ、ネパール、パキスタン）とフィリピンの出稼ぎ労働者は非常に多いが、ベトナム人労働者はいないのだ。

　中東で働くベトナム人は3万人以下だが、ネパールからは100万人以上、パキスタンからは約470万人、バングラデシュから約750万人、インドからは約760万人、フィリピンからは200～300万人と桁違いだ。

　中東市場に詳しい人たちによると、ベトナム人は勤勉、誠実、集団や家族のための自己犠牲という美徳のおかげで、完全な競争力があるという。では、どこを改善するか。英語だけでなくアラビア語など現地の言語は非常に役に立つ。現地の文化の理解には現地の人が常に正しいと考えておく。業界知識を覚えれば工場の生産ライン、スーパーやコンビニ、営業部門などで働けるようになる。

　アラブ諸国への労働力輸出は大きな可能性を持っている。

「上司へのテトギフト」　医師　259コメント

　テトになるといくつもの贈り物を買い、ギフトバッグに分けて、お祝いの決まり文句と共に渡す。最後のギフトを終えて帰るとため息が出る。誰に強制されたわけでもないが、贈り物をしないと不安になるのだ。周りを見ると同じように嘆いている人がいる。

　テトのボーナスは年末に家族で美味しい料理を買うべきものなのに、妻や子どもに申し訳ない。金銭的な損失に加えて、精神的な損失も大きい。そこである年、私は誰にもプレゼントを渡さなかった。不安な気持ちを抱えて待っていたが、何も起こらなかった。特にボスは、何百人もがギフトを持ってくるので、気付かなかったようだ。

　だからそれ以来、上司への習慣を止めた。テトはこの1年を総括し、大切な家族やお世話になった方々に感謝する場なのだ。それで昇進できないのなら、せめて名誉だけでも守ればいい。何事にも代償はある。

　テトは身を低くする場ではなく、頭を高くして春風を迎える場なのだ。