インテージベトナムの月例消費者信頼指数の消費変動(基準値3.0)について、2021年9月から2022年8月の1年を振り返ってみる。
消費変動スコアは全体的に緩やかに上昇し、2022年8月は全ての項目が基準値(3.0)を超えた。ロックダウン中の2021年9月のトップ3は、「生活費」、「ヘルスケア」、「食品飲料」(スコアは共に3.56)であったが、2022年8月は順に「教育(3.84)」、「生活費(3.72)」、「食品飲料(3.68)」と順位が変動しており、約1年間で支出額の増加が分析できる。
昨年と今年共に上位である「生活費」の消費者指数スコアは固定費が微増傾向である一方、「教育」についてはかなり増加傾向である。2021年9月は3.42であったが、2022年8月は年間過去最高値の3.84を記録し、8月の指数スコアでトップとなった。
ロックダウン期間中はほぼ全ての学校で「対面授業」から「オンライン授業」へと移行した。オンライン授業は物理的な移動が不要な点、各種外国語やプログラミングなど学習項目の選択肢が拡大した点において、今後も需要の高まりが期待できる。オフライン授業へ移行した現在は、習い事の再開も加わって支出増加を促進していると分析できる。
今後は、オンラインとオフラインの融合がより重要となってくる。天候等によるオンオフ切り替えの可否、オンライン授業だが落ち着いた環境で学べる設備完備などの差別化が、企業間の競争で勝ち残る重要なファクタ―となるだろう。オンライン・オフライン融合授業をベトナムの新たな市場として注目したい。