HSBCが発表した最新のレポートで、今年のベトナムの経済成長率予測が従来の6.6%から6.9%に引き上げられた。
6.9%の経済成長率についてHSBCは、今年のベトナムの経済成長率が周辺地域でトップになる可能性があると指摘している。HSBCは、ベトナムが経済活動再開による恩恵を受けており、内需が回復傾向にある中で、海外からの需要も積極的に取り込めていると評価する。
実際に今年前半の2つの四半期が安定して経過した後もベトナムの経済回復状況は、引き続き周辺地域の顕著な回復事例となっている。2022年第2四半期のGDP成長率は7.7%で、事前の金融機関などの予測値である5.8~5.9%を大きく上回った。
物価についてHSBCは、ベトナムの今年のインフレ率が平均で3.5%以内に収まると予測しているが、一時的には4%を越える可能性があり、金融政策の正常化が必要になるとしている。
HSBCは、ベトナム国立銀行が2022年第3四半期以降に金利を50ポイント引き上げ、その後2023年第3四半期まで四半期ごとに50ポイントずつ引き上げる可能性があると予測している。したがって、2023年末までに政策金利が6.5%まで上昇する可能性がある。
全体的な経済成長は前向きな兆候だが、HSBCはエネルギー危機がベトナムの経済成長に影響を与え始めていると分析する。実際に、物価上昇を受けて第2四半期の貿易収支は6億USDのマイナスとなっており、今後経常収支がさらに悪化する可能性がある。
HSBCでは、ベトナムの経常収支が2021年にGDP比1%の赤字を記録したことを受け、今年も赤字が継続する(GDPの0.3%程度)との見方を示している。
家計消費については、着実に回復しているものの、ガソリン価格の高騰が家計に影響を与えており、これまでに比べて経済回復状況のスピードが鈍化する可能性がある。「周辺地域に比べればある程度抑制できているとは言うものの、物価上昇圧力が顕在化しつつある。」とHSBCのレポートは分析している。
ベトナムが外部リスクから身を守るのに役立っている明るい指標の一つは安定したFDIの流入にあり、これによって基本的なバランスが保たれている。力強いFDIの流入は、これまでの経常収支の赤字を相殺する可能性がある。特に製造業の分野では、投資家のベトナムに対する高い信頼と関心を反映してFDIは引き続き増加している。
今後の物価上昇やエネルギー危機の問題を考慮したうえで、HSBCでは2023年のベトナムの経済成長率予測を以前の6.7%から6.3%に引き下げている。
出典:06/07/2022 VNEXPRESS
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