ASEANとアメリカはプノンペンで開催された首脳会談で包括的戦略パートナーシップを締結することで合意した。
11月12日の午後、プノンペンで開催されたASEAN-アメリカ首脳会談の開幕式でアメリカのジョー・バイデン大統領とカンボジアのフン・セン首相は、ASEAN-アメリカの包括的戦略パートナーシップの正式な立ち上げを表明した。
「ASEANは私の在職中のインド太平洋戦略における中心的な存在です。本日、我々が新たな一歩を踏み出し、アメリカとASEANの包括的戦略パートナーシップの始動により関係国の協力関係に新時代が到来しました。」とバイデン大統領は述べた。
ホワイトハウスの声明によるとバイデン大統領はインド太平洋におけるASEANの中心的役割を支援することを約束した。
包括的戦略パートナーシップの枠組みに基づき、アメリカとASEANは、これまでに確立されてきた防衛、経済、外交関係を軸に、新たなハイレベル対話の枠組みを含めたあらゆる面での協力関係を制度化し拡大させる。
ASEAN首脳会談でファン・ミン・チン首相は、アメリカがASEANの平和、安定、繁栄へ貢献するために協力レベルを引き上げるという強いコミットメントを高く評価した。
チン首相は、ASEAN及び、世界経済が衰退している現在の状況においてASEANとアメリカは貿易と投資の交流を促進し、コロナ後の安定した経済回復に向けた努力を迅速に後押しする必要があると指摘した。
チン首相はさらに、ベトナムはアメリカの投資家並びに企業に対して最善の措置を講じると述べ、アメリカに対してASEANの製品がよりスムーズにアメリカ市場にアクセスできるように支援を求めた。
同日に開催された第19回ASEAN-インド首脳会談においても、双方は包括的戦略パートナーシップを樹立するとの声明を採択している。
インドのジャグディープ・ダンカル副大統領は会談で、インドの”アクト・イースト”政策においてASEANは重要な柱であり、ASEANがインド太平洋イニシアチブの中心であると強調した。
チン首相は、ASEANとインドが協力関係を強化し、地域の秩序を維持し、法の支配を尊重し、平等な関係でお互いを尊重しながらともに発展することを求めた。
ファン・ミン・チン首相はさらに、ベトナムの高官代表団を率いて、中国、韓国、日本とのASEAN+3首脳会談にも出席した。
ASEAN+3の各国首脳は早期に市場を開放し貿易を完全に再開させ、貿易自由化を促進し、持続可能な発展とグリーン成長に向けた協力を強化することで合意した。
チン首相は、ASEAN+3は多国間主義、貿易の自由化、規制緩和を進め、安全な貿易と経済開放を最優先としてあらゆる面で結束を強化し、バランスよく展開する必要があると述べた。
第2回ASEAN-オーストラリア首脳会談でオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相はASEANとの関係を強化し、周辺地域におけるASEANの中心的役割をサポートし、ASEANとの実質的な協力関係強化を促進したいと強調した。
オーストラリアによると2021年の対ASEAN貿易額は前年から26%増の955.1億USDに達している。また、2021年のオーストラリアによるASEAN諸国への直接外国投資額(FDI)は、205.7億USDに達している。
チン首相は、ASEANとオーストラリアの関係が包括的戦略パートナーシップのレベルまで発展するためには、双方がASEAN-オーストラリア-ニュージーランド自由貿易協定(AANZFTA)の早急なアップグレード実現に努力し、貿易と投資環境を完全に回復させる必要があると指摘した。チン首相はさらにオーストラリアがASEANに対して農産物の門戸をさらに開放し、通関手続きと検疫手続きの迅速化を進めるように求めた。
チン首相はプノンペンで開催されるASEAN首脳会議とその他の関連会議に出席するためASEAN諸国の首脳と合流した。
4日間の会議でASEAN諸国の首脳は、ASEAN共同体の構築、ASEANとパートナー国との協力関係について協議し、周辺地域並びに国際社会における多くの問題について意見交換をおこなった。
出典:12/11/2022 VNEXPRESS
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