ファン・ミン・チン首相は、来年のベトナム経済の見通しについて、メリット、困難、課題が絡み合っているが、困難の方がより大きいだろうとの見通しを述べた。
12月17日の午後に開かれたベトナム経済フォーラムで講演したファン・ミン・チン首相は、今年、ベトナムは多くの困難に直面したにもかかわらずマクロ経済の安定、良好な経済成長、インフレの抑制などの経済面と安全保障、国家主権の確保、外交関係の強化など政治面で重要な成果を達成したと述べた。
来年以降のベトナム経済を見据えて、チン首相は、世界情勢は複雑で予測不可能な状況が続くだろうとの見方を示した。また、国内については、成長のチャンスと課題が絡み合っているが、困難な課題の方がより大きいだろうと述べた。
「混乱したり動揺したりせず、独りよがりにならずに落ち着いて状況を把握し、解決策を考えていくべきです。」とチン首相は述べた。
2023年の社会経済発展のためにチン首長は、各省庁と地方自治体に対して、既に公布された決議、指示、公電の内容を引き続き厳格に適用していくことを求めた。その中で、各機関は状況をしっかりと把握し、状況に応じた優先作業順位を選択し、積極的かつタイムリーな対策をおこなう必要がある。
チン首相はまた、通貨政策を財政政策と調和した形で確実かつ柔軟に実施し、全体的な効果を保証し、現実に対応していく必要があると主張した。その中で、ベトナムは外国為替市場を安定させ、金利と為替レートを適切に管理し、優先分野に集中しながら経済の信用資本ニーズを満たすことを保証し、インフレを抑制しながら経済成長を促進するために為替と金利を合理的な範囲に設定し、流動性と適切な信用成長を確保し、経済における資本の流動性のボトルネックを解決する必要がある。
チン首相は更に、税務当局に対して国家予算を正確かつ迅速に徴収し、税務手続き改革を継続して進め、デジタル化を促進するとともに、税と納付金の補助政策を研究するよう求めた。チン首相はまた、今後の経済と証券市場、不動産市場との健全で安定した持続可能なバランスをとる必要があることにも言及した。
これより前、中央経済委員会のチャン・トゥアン・アイン委員は今年のベトナムのGDP成長率が過去11年間で最高の8%に達し、インフレ率は4%未満に抑えられ、昨年同期と比べて11月までの輸出が13.4%、FDIの実行額が15%増加したと述べた。また、国家予算収入も11月末時点で計画より16%増となり、昨年同期比では17.4%の増加となった。これらの数字は、ベトナム経済がCOVID-19によっても衰退せず、力強く回復したことを示している。
クレジット、証券、不動産、石油などのマーケットでの問題が過去数ヶ月にわたって発生していることを受けてチン首相は、これは経済発展における周期的な問題であり、ベトナム政府は徹底的に対応する必要があると述べた。
「治療が必要な病におかされていますが、同時に対応すべき問題が多数あり、問題を難しくしています。しかし、ベトナムは、市場を安定的に力強く発展させていくために、違反行為に対して確実に対処していく必要があります。この病気を治療するためには適切な薬と時間が必要で、効果が出るまで待つ必要があります。」とチン首相は述べた。チン首相によれば問題解決に正解はなく、最善と思える方法を選択し、政府と国民と企業の調和のとれた利益を確保する必要がある。
チン首相はまた、困難な状況に追い込まれている企業と国民を支援するために、銀行が金利を引き下げる方法を検討すべきだと提案した。株券発行組織は、誓約事項を遵守する必要があり、もし問題があれば積極的に投資家と交渉する必要がある。逆に投資家は法律の規定に基づいて、株券発行企業と困難を共有すべきだ。
不動産市場に関してチン首相は、セグメント、価格、物件を再構築し、社会住宅プロジェクト、労働者用住宅プロジェクトおよび、低所得者向け商業住宅プロジェクトの開発を支援するように求めた。「政府には政策がありますが、各企業も変化しなければなりません。価格を永遠に高く保つことは不可能で、富裕層のみを対象にしていたのでは、貧困層や低所得者層はいつまでたっても家を持つことが出来ません。」とチン首相は述べた。
出典:17/12/2022 VNEXPRESS
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