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ベトナムニュース【社会】ハノイ、湿気対策に数千万ドンをかける市民

(C) VNEXPRESS

友人たちがハノイの湿度の高さに嫌気がさしているのを見て、ヴィンさんは、湿気対策の武器を手に入れたことを誇らしく感じた。

「家の2か所の寝室に10リットルの除湿器を1台ずつ、リビングに20リットルの除湿器を1台設置したので、うちの中はいつも乾燥しています。洗濯物も乾燥機付き洗濯機があるので、湿り気や臭いもなくなりました。」ハノイ在住のグエン・タイン・ヴィンさん(33歳)は話す。

以前、マンションの16階にある自宅の床はフローリングなので、タイルの床のように濡れることは無いが、ハノイの猛烈な湿度で暮らすヴィンさん夫妻は、家の不潔さに頭を悩ませていた。

「べたついた足で床を歩く。布団に入ると寒くてじめじめして震えてくる。洗濯物は何日しても乾かない上に、嫌なにおいがする。髪も洗ったばかりなのに1週間も洗ってないような感じになる。」とヴィンさんの妻であるホアイさんは不満を漏らした。

ヴィンさん夫妻は、2022年の旧正月の後、湿度の高い日が1ヶ月近く続いたので、除湿器を購入することにした。部屋の湿度を60%に設定することで、部屋の空気が乾燥し、さわやかで快適な空間で過ごせるようになった。最初の除湿器を購入してから3日後に、ヴィンさん夫妻は、リビングと寝室用にさらに2台の除湿器を購入した。

更に、ヴィンさん夫妻は4000万VNDかけて乾燥機付きの洗濯機を購入することに決めた。これによって洗濯物がすぐに乾く上に嫌な臭いもなくなりヴィンさんの満足度は2倍になった。

「昨年、妻に乾燥機を買おうと言ったんですが、妻は必要ないと言って同意してくれませんでした。今では妻ももっと早く買えばよかったと言ってます。」とヴィンさんは話す。ヴィンさん一家が除湿対策に費やした費用は合計で約7000万VNDだった。

ハノイ市ドンダー区で4階建ての一戸建てに住むフーン・タオさんは、昨年購入した除湿機以外に、今週初めに新たに800万ドンで除湿機を購入した。「2階と4階の廊下に除湿機を設置しました。フル稼働させると家の中が快適になります。」とフーン・タオさんは話す。

タオさん一家は、昨年200万ドンで防湿庫を購入した。タオさんは、今年さらに高性能な乾燥機の購入も考えている。

数年前までは、除湿器も防湿庫もなく、湿度の高い天候が続く季節には、食器から食品まで家の中のあらゆるものがカビに覆われていた。以前のある日の夜に、タオさんが水を飲もうと起き上がり、階段を降りようとしたときに濡れた階段で足を滑らせて転がり落ちたこともある。

「バスルームは、壁1面がカビに覆われ、掃除するのが大変でした。家の外壁も湿度の高い季節になると剥がれ落ちていました。」とタオさんは話してくれた。

当時のタオさん一家は、湿度の高い季節は、その場しのぎの対応で乗り切ろうとしたり、湿気と共に暮すという考えを受け入れようとしたりしてきた。家の2階が最も湿度が高く、床が滑らないように厚紙で床を覆う必要もあった。タイル張りの階段も滑りやすく、常に湿気を拭きとる必要があった。雑巾や厚紙が家のいたるところに置かれ、家の中が散らかったように見えるのも気分を落ち込ませた。

「私の家では、衣類を入れる専用の部屋があり、エアコンをつけて乾燥させています。湿度が高くて寝苦しい夜などは、エアコンをつけますが、あまり効果はありませんね。」とタオさんは話す。

湿気は、北部の”特質”と考えられている。特に湿度の高い気候は、旧正月後に発生し、霧雨が何日も続き、湿度が上がり、家の壁や床が”汗をかく”ようになる。また、洗濯物は乾かずカビが生えやすくなり、呼吸器疾患にかかる人が増える。湿気は多くの家族、特に一軒家で小さな子供がいる家にとっては悪夢といえるほどだ。

国立気象予報センターの予測によれば、2月前半には寒気が弱まり東に移動するため、北部では霧雨や霧が発生しやすくなり、湿度は80%を超える。世界の天気を予測しているアメリカのAccuweatherのWebサイトも、2月一杯はハノイで霧雨と霧が続くと予測しており、寒気が戻る2~3日だけ湿度が下がるとみられている。

ハードン区で家電を販売しているグエン・スアン・ハーさんは、多くのハノイ市民は、湿度の高い時期は一時的なもので何とか耐えられると考えて、除湿機をあまり購入しないと話す。

エアコンのドライ機能を使って家の中を乾燥させる方法が一般的には言われているが、一見乾いているように見えても、湿度計で測ると実際の湿度は75~80%とあまり下がっていないことがある。一般に健康に適した湿度は50~55%とされているが、ベトナムの場合は熱帯地域なので、快適な湿度は60~65%とされている。

「家でできる湿気対策としては、ドアの開閉を制限し、家の掃除を乾拭きだけにし、トイレのドアは使用後に必ず閉めるのがよいでしょう。もし金銭的に余裕があれば、生活の質を向上させるために除湿機などの購入を検討してみてください。」とハーさんは話す。

(C) VNEXPRESS

家電量販店MediaMartのレ・クアン・ブー社長は、多くのハノイ市民が乾燥機や除湿機は、一時的にしか使用しないものだと考えていると指摘する。そのような考えになる原因の一つとして、ブー社長は、消費者に製品の機能を正しく理解してもらうためのメーカーによるアプローチが不足している点を挙げる。

「実際には、乾燥機や除湿機などの製品は、年間を通じて使用でき、何年も使えるものです。」とブー社長は話す。例えば、乾燥機は、陽当りが悪く干す場所が制限されているようなマンションなどでは非常に役に立つ。海外でも屋外に干さずに乾燥機を使うというのは一般的な乾燥方法だ。

最近になって消費者の意識が変化してきており、特にハノイ市中心部では、湿度を絶え凌ぐのではなく抜本的な解決策を考える人が増えている。データによると防湿庫、乾燥機、除湿機など湿気対策機器が2月上旬から売れ行き好調となっており、今後さらに売れ行きが伸びるとみられている。

「先日、1日で防湿庫2000台、乾燥機1000台、除湿器700台が売れました。これは、通常の10倍の売れ行きです。」とブー社長は打ち明けた。

ブー社長によると湿気対策として、金銭的余裕があまり無いようであれば、防湿庫(100万~200万VND)や除湿機(400万~700万VND)を購入するのがお薦めだ。もし、長期的な湿気対策を検討するのであれば、、ヒーター式乾燥機(600万~900万VND)、コンデンサ式乾燥機(700万~1300万VND)または、ヒートポンプ式乾燥機(1400万~2000万VND)などの選択肢がある。

今年は閏月があり、湿度の高い時期が長引く可能性がある。ブー社長は、もし金銭的な余裕があるのであれば、早めに湿気対策の家電を購入しておいた方が、配送、設置、価格などの面で有利だとアドバイスるする。

乾燥機、防湿庫、除湿機に加えて最近では、食器洗い機、食器乾燥機、靴乾燥機から除湿剤、エッセンシャルオイル、香り石鹸、ジャベル水などが湿気対策アイテムとして人気を集めている。

ヴィンさんは最近では100㎡のマンション内で3台の除湿器をフル稼働させている。毎晩寝る前にヴィンさんは除湿機一杯にたまった水を捨てている。クローゼットや下駄箱など除湿機の効果が及ばない場所には、数万ドンで売られているの除湿剤を入れておけば十分効果がある。

乾燥機付き洗濯機のおかげで、小さな子供が3人いるヴィンさん一家は、濡れた衣服の不快な臭いを気にする必要がなくなった。この季節の空気が水分を含んで重たくなり、細かい埃などの有害物質が低い場所を浮遊して吸い込みやすくなるので、最近は、空気清浄機もフル稼働させている。

「最初は湿気対策に7000万VNDもかけるなんてと思いましたが、実際年間で家の中で過ごす時間は非常に長いです。除湿機を購入してからは、少なくとも家にいる間は快適に過ごせるようになりました。」とヴィンさんは話してくれた。

出典:06/02/2022 VNEXPRESS
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