ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

ベトナムニュース【社会】カントー市の水上マーケットが消滅の危機

(C) VNEXPRESS

農産物の売買取引にやってくる船の数は、年々減少傾向にあり、100年以上の歴史を持つカントー市のカイラン水上マーケットは、消滅の危機に瀕している。

3月上旬の朝、メコン川のカイラン水上マーケットに数隻の船が集まり農産物の取引をおこなった。市場の入り口に停泊しているパイナップルを積んだ船に座っていたチャン・ミン・タインさんは、以前は、早朝になると様々な場所から米や野菜を積んだ船が500~600隻集まり、1㎞にわたって水面のほぼ2/3を占めていたと話す。

しかし、ここ数年は市場に来る船の数が減り、時には30~40隻しか集まらないこともある。タインさんによれば、船が減った1つの理由は、多くの取引所がより適切な別の場所に移動したことが挙げられる。一部の商人は船を売って、商品を運ぶためのトラックを購入している。近年、カントー市当局が、カイランエリアに高い堤防を建設したことで、川岸からボートへの商品の積み込みが不便になったことも船が減った原因だと考えられている。

(C) VNEXPRESS

水上マーケットの活気がなくなり、カイラン水上マーケットは観光地としての魅力を失いつつある。ホーチミン市の旅行会社でガイドをしているラム・ミン・ヒウさんは、同社のツアーでカントー市を訪れる旅行者の70%以上が水上マーケットツアーを依頼すると話す。しかし、水上マーケットの船の数が非常に少なくなり、観光客は魅力を感じなくなっている。

このような状況に対してカントー市当局は、国の無形文化遺産である水上マーケットを保存するために、総額630億VND(約3億6000万円)をかけてカイラン水上マーケット保存・開発するプロジェクトを承認した。これまでに、このプロジェクトによってごみ収集船を配置したり、40枚の筏を安全な停泊地に移動させたり、観光資源開発を目的に数百世帯に補助金を提供したり、水上で土産物、フルーツ、軽食を提供する船を手配したりしている。

しかし、水上マーケットのサービスは不十分で単調なため、このプロジェクトでも、船や観光客数を回復させるのにはあまり役立っていない。地域文化を研究しているニャム・フン氏は、カイラン水上マーケットには、独特の取引方法、水上生活、商人による独特な歌謡など特別な文化的価値がある。しかし、水上マーケット保存・開発プロジェクトには、このような独特の文化を保存する内容が含まれていない。

「船の商人がいて初めて水上マーケットが成立します。そのため、最も重要な目標は水上マーケットの商人たちの商売と文化を守ることです。」ニャム・フン氏は話し、カントー市は、長期的には自然発生的な水上マーケットを観光資源として管理されたものへ移管させる必要があると指摘する。この作業には、投資、開発、管理を担える能力のある民間企業への委託が必要になる。

カイラン地区人民評議会のヴーン・コン・カン副会長は、現時点で水上マーケットに対して実施すべきなのは、船で取引をおこなう商人に対して有利な条件を設定することだと述べた。そのため、この地域では、2025年までに350億VND(約2億円)の予算をかけて、桟橋、休憩所、駐車場、貨物ターミナルを建設するプロジェクトを承認した。

カントー市人民委員会のグエン・トゥック・ヒエン副主席は、カントー市がカイラン水上マーケット開発プロジェクトを再検討するための会議を準備していると述べた。多くの専門家が意見を持ち寄り、水上マーケットの商人を維持し、文化を保全し、観光を発展させるための最善のソリューションを検討する予定だ。

出典:05/03/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作