ロシアの副首相は、ベトナムがユーラシア経済連合と自由貿易を締結している東南アジア唯一の国であることを高く評価した。
これは、4月6日の午後に開かれたベトナム-ロシア企業フォーラムで、ロシアのドミトリー・チェルニシェンコ副首相が述べた内容だ。このフォーラムには、新たなビジネスチャンスを求めてベトナム企業150社以上とロシア企業50社以上が参加した。
ロシアの副首相は、ベトナムとユーラシア経済連合(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスタンが加盟するEAEUで2016年10月5日発効)とベトナムの自由貿易協定によって、両国の企業は大きな恩恵を受けていると評価した。実際、この自由貿易協定が発効されて以降の2016年から2021年でベトナムとロシアの貿易額は2倍に増加している。両国の貿易額の年間平均成長率は約15%で、貿易総額は2021年に55億USD以上に達している。
「ロシアとベトナムは、自由貿易協定をより効果的に活用するための新たな措置について話し合う用意があります」とチェルニシェンコ副首相は述べた。
チェルニシェンコ副首相は、ベトナム企業を称賛し、ロシアは、信頼できる国際パートナーだと述べた。また、ロシアは開かれた経済発展を優先し、企業の自由な経営を支援すると表明した。さらにロシア企業は、契約書に記載された義務と誓約事項を遵守してパートナーとビジネスをおこなっていると強調した。
チェルニシェンコ副首相は、「ベトナム企業のロシア進出を歓迎します」と述べた。チェルニシェンコ副首相によれば、ロシア政府は現在、科学技術、教育、デジタル技術の発展を優先しており、ベトナムとこれらの分野の経験とソリューションを共有する準備がある。さらに、ロシアは、物流と持続可能なエネルギー問題に取り組んでおり、ベトナムを含めた外国人投資家がこの分野におけるロシアでのビジネスを発展させるためのインセンティブを提供するとしている。
一方、ベトナムのチャン・ホン・ハー副首相は、ベトナムとロシアは、経済政策と貿易において今後もお互いが重要なパートナーであり続けることを約束した。しかし、ホン副首相は、両国の経済協力関係は、友好関係に比べればまだ控えめなものに留まっているとも指摘した。
「各省庁の幹部は、経済、貿易、インフラ、エネルギーから教育、科学技術研究まで両国の協力関係を促進する数多くの新たなプロジェクトを提案しています」とハー副首相は述べた。
ハー副首相はまた、ベトナムの経済成長と政治・社会的安定という面でのこれまでのベトナムの成果を踏まえて、ベトナムは、ロシアを含めた外国人投資家にとって魅力的な投資先だと評価した。
「ベトナム政府は、常にビジネスにとって有利な投資環境、法令、行政手続きの改善を進めています。我々は、より多くのロシア企業が多くの分野でベトナムに投資することを推奨しています」とハー副首相は述べた。ベトナムは現在、特にハイテク産業、グリーン経済などの分野でFDIの誘致を優先している。
商工省のダン・ホアン・アン副大臣は、将来的には両国の企業は両国経済を補完する形でより効果的に発展していく必要があると示唆した。両国の企業は積極的に情報交換をおこない、市場のニーズと動向を把握し、積極的にビジネスを促進していく必要がある。
さらに、ロシア経済開発省のイリチョフ・ウラジーミル・エヴゲーニエヴィッチ副大臣は、ベトナムから輸出される電子部品、木製家具、履物などの品目はロシアでのチャンスが多く残されていると述べた。エヴゲーニエヴィッチ副大臣によれば、ベトナム企業がロシアのマーケットをより深く理解すれば、より良い協力関係の構築方法を見つけることが可能になる。「両国の貿易には、まだ多くの発展の余地が残されています」とエヴゲーニエヴィッチ副大臣は述べた。
昨年、様々な要因によってベトナムとロシアの貿易額は大きな影響を受けた。ベトナム税関の統計によれば、2022年のベトナムとロシアの貿易総額は35.5億USDで、2021年から35.4%も減少した。このうち、ベトナムからロシアへの輸出額は15.5億USDで51.4%も減少し、輸入額も19.9億USDで13.2%減少している。
投資に関して、2023年3月時点でロシアは、ベトナムに総投資額9億7000万USD以上の171件の有効な投資プロジェクトがあり、ベトナムに投資している世界143ヶ国中28位となっている。ロシアの投資プロジェクトは鉱業部門に集中しており(54.7%)、次いでサービス業、製造業などの順となっている。
逆にベトナムは、現在ロシアに総投資額16.3億USDで17件の有効な投資プロジェクトがある。ロシアは、ベトナムが海外投資している78ヶ国中4番目に位置しており、ベトナムの外国投資総額の7%を占めている。
出典:06/04/2022 VNEXPRESS
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