2022年上半期のマグロの輸出総額が5億5300万USDに達した。これは前年同期と比べて56%もの増加だ。
これは、ベトナム水産品輸出加工協会(VASEP)が税関から引用したデータによって明らかになったものだ。
現在、マグロの輸出は全ての主要マーケットで順調に伸びており、特にアメリカ向けの輸出が大きく伸びている。2022年上半期のアメリカ向けの輸出額は3億ドルを超えており、前年同期と比べて96%も増えている。アメリカ向けの輸出が急増したのは、東太平洋海域でのマグロが減ったために、アメリカの漁船によるマグロ漁獲量が減ったことが原因とされている。また、アメリカのインフレ率の高騰によってツナ缶のアメリカでの需要が急増したことも影響を与えたと考えられている。
また、包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)加盟国への輸出も好調だ。中でも主要市場であるカナダ向けが68%、日本向けが26%、メキシコ向けが30%も増加している。上記の3つの主要マーケットに加え、今年の上半期にはタイ向けの輸出が59%、フィリピン向けも86%と大幅に増加している。
EU市場については、2022年上半期の輸出額は7700万USDで前年同期と比べて6%の増加であった。EU市場は、直近3ヶ月の輸出量が減少を続けていることを受けて、最も成長率の低い市場となっている。ドル高ユーロ安の状況がEUでの物価上昇を引き起こしているとみられている。
VASEPは、2022年下半期もマグロの輸出は好調に推移すると予測している。2022年トータルのマグロの輸出総額は11億USDに達すると予測されている。これは、2021年と比較して45%もの増加となる。
VASEPは、2022年下半期の輸出状況について楽観視しているが、ベトナム国内ではガソリン価格の高騰によって漁船の出漁が減っており、漁獲高にも影響が出始めている。そのため、マグロの加工品輸出企業は、原材料をベトナムと自由貿易協定(FTA)を締結していない国から調達しなければならなくなる可能性がある。そうなるとベトナム産のマグロ加工品は、輸出の際にFTAのメリットを活用できなくなり、競争力を失う可能性がある。
出典:18/07/2022 VNEXPRESS
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