電子商取引市場、堅調な拡大続く
ベトナムの電子商取引データ分析サイトMetric.vnが公表した2025年第3四半期の市場レポートによると、国内のオンライン購買が引き続き好調で、特にベトナムの化粧品ブランド「Cocoon(コクーン)」が前年比200%超の売上成長を記録した。
四大ECサイトで売上103兆6,000億VND超
報告書によれば、Shopee、TikTok Shop、Lazada、Tikiの4大ECサイトの第3四半期売上は計103兆6,000億VND(約6000億円)に達した。7〜9月の月別売上は前年同期比でそれぞれ19%、21%、26%増加。期間中に購入された商品は約9億8,900万点で、消費者は毎月平均34兆VND(約2000億円)をECサイトで支出した計算になる。
Cocoonが化粧品カテゴリーで躍進
成長が著しかったのは「美容」「生活・インテリア」「ファッション」の3分野。その中でも、ベトナムの自然派化粧品ブランド「Cocoon」が前年比202.83%増と突出した伸びを示した。
検索トレンドでは「iPhoneケース」が1,000万件以上の検索で首位を占め、次いで「女性用サンダル」「シャツ」「ハンドバッグ」が上位に入った。
中価格帯商品が主流、消費者の志向が変化
価格帯別では、10万〜20万ドンの商品が売上の25.7%を占め、20万〜35万ドンが16%。一方で10万ドン未満の低価格品は26.9%から24.4%へ減少した。
100万ドン超の商品割合が14.5%に上昇しており、消費者が「安さ」よりも「品質・ブランド・体験」を重視する傾向が強まっている。
モール型ショップがわずか2%で全体の3分の1超を占有
Metricのデータでは、ShopeeとTikTok Shopにおけるモール型ショップ(公式ストア)は全店舗のわずか2.64%に過ぎないが、売上の35.7%を占めている。
TikTok Shopではモール店舗数が52%増加し、売上は約115%増となっている。Shopee Mallでは店舗数が38%減少したものの、厳格な品質基準による精選で売上は微増した。
消費者行動の変化と市場再編
Metricは、2024年以降の電子商取引市場には次の3つのトレンドが定着しつつあると指摘する。
1. 日用品・食品など「生活必需品」のオンライン購入が急拡大(前年比76.3%増)
2. 正規品志向の高まりとECサイトへの信頼向上(Shopee Mall+70%、TikTok Shop Mall+180%)
3. 不採算ショップの淘汰が進行(取引のある店舗数20%減)
第4四半期は「11.11」「12.12」セールで過去最高へ
Metricは第4四半期のEC売上を105兆VND、販売商品数を10億6,900万点と予測している。これは前年比でそれぞれ1.35%、8.14%の増加となる見通しだ。
年末の大型セールやライブ配信販売、迅速配送サービスの強化が主な成長要因とされる。
ShopeeはYouTube・Metaと提携し、“ショッピング×エンタメ”強化
Shopeeは市場シェア56%で首位を維持。2024年10月からYouTube Shoppingと連携し、240万点以上の商品を動画内で販売可能にしたほか、Facebook上でのライブ販売機能もMetaと共同で試験運用を開始している。
一方、TikTok Shopは41%のシェアで追随する。販売者コミュニティの育成や法務・税務・販売スキルの研修を各地で展開しており、プラットフォーム競争はさらに激化している。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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