インフルエンザ、デング熱などの感染症が流行する中で、COVID-19感染者数が再び上昇傾向にあり、このままでは医療ひっ迫が起きる可能性がある。
これは、8月6日に開催された全国COVID-19感染拡大防止委員会の会議で、保健省のダオ・ホン・ラン大臣代理が報告した内容だ。それによると、2022年初旬からこれまでに国内で900万人以上のCOVID-19感染者が確認され850万人が回復し、1万1000人(感染者数の薬0.1%)が死亡した。
オミクロン株のBA.4とBA.5系統(より感染力が強い)は、既に国内の多くの地域で確認されており、南部では優勢になりつつある。一方で、3回目と4回目のワクチン接種率は、多くの地域で依然として低調である。
そのため、ラン大臣代理は、各地方自治体や関係機関がワクチン接種を加速させ、8月中に5歳から12歳の子供へのワクチン接種を完了し、感染リスクの高い人への3回目と4回目のワクチン接種を促進させ、生後6か月から5歳までの子供を含めた2023年のワクチン接種計画を立案するよう指示した。
COVID-19と闘うために、医薬品、医療器具、人材を確保し、常に新たな変異株の登場に注意し、感染再拡大の可能性に備えておく必要がある。また、予防医療や治療に従事する医療従事者を中心に、免疫力を強化し、報酬体系を改善する必要がある。
市民は、2K(マスクと消毒)ルールを遵守し、スケジュール通りにワクチンを接種することが求められる。
この会議の開催にあたりファン・ミン・チン首相は、以前のCOVID-19感染拡大時において、ワクチンも無く、治療薬もなく、医療対応能力が制限され、治療経験も十分でなかった日々のことを決して忘れてはならないと述べた。その時には、多くの場所で感染防止対策としての行政措置を講じ無ければならず、社会的な混乱が生じ、多くの資源と労力を費やすことになり、死者を含めた多くの犠牲者を出すことになり、社会経済活動に深刻な打撃を与えた。
しかし、感染状況が抑制されるようになってからは、他国で感染の再拡大が起こっているにもかかわらず、国民の意識が弛み始めた。大きな開放経済国であるベトナムは、諸外国のわずかな変化によって大きな影響を受ける可能性がある。
チン首相は、「依然としてワクチンが決定的な武器であることを、結果が示しています。」と断言した。感染がピークに達した時から抑制された時まで政府は一貫してワクチン接種を促してきたが、いまだに目標数値には達していない。
「感染が複雑に拡大すると各自治体はワクチンの提供を要請しますが、感染が落ち着くとワクチン接種が滞っています。」とチン首相は指摘した。
そのため、チン首相は、ワクチン接種スピードを加速するとともに、全国的な集団免疫の獲得を目指すよう指示した。
この会議で、ダオ・ホン・ラン大臣代理はまた、ベトナムは感染拡大の防止体制から、COVID-19の持続的な管理体制へ状況を変えるために必要な基本条件を満たしていると述べた。ベトナムが感染拡大防止体制からの移行を実施する根拠の1つは、ワクチン接種率の高さにある。
ベトナム全土でこれまでに2億4700万回のワクチン接種が実施され、12歳以上の国民が2回以上のワクチン接種を完了している。また、18歳以上の国民の半数以上が3回目の接種を完了しており、これは、世界平均の2倍に相当している。5歳から12歳未満の子供へのワクチン接種率も、アメリカ、ドイツ、イタリア、フランスなどの先進諸国よりも高くなっている。
出典:06/08/2022 VNEXPRESS
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