ベトナムのSNSで、「借家姫(công chúa phòng trọ)」という言葉が若者の間で話題となっている。
これは、恋人に求める経済力が高い一方、自身はそれほど裕福ではない女性を皮肉る表現として使われ始めた言葉である。しかし、その後は単なる批判にとどまらず、賃貸住宅に住む人の生活や経済状況を揶揄することへの疑問や、自らを「借家姫」と呼ぶ自虐的な使い方も広がっている。
SNSの一言から生まれた「借家姫」
「借家姫(công chúa phòng trọ)」が注目されるきっかけとなったのは、SNS上でのあるやり取りである。
ある女性が「経済力のない男性は、私を美人と褒めないでちょうだい」という趣旨の投稿をしたところ、別のアカウントが「典型的な借家姫だな」とコメントした。
この短いコメントが複数のSNSで転載され、「借家姫」という表現が広がった。
現在、SNS上ではこの言葉は、自身の経済状況はそれほど余裕がないにもかかわらず、恋人には高い経済力を求める女性を指す表現として使われることが多い。
その後、男性についても同様の状況を表現するため、「寮の王子様(hoàng tử ký túc xá)」や「相部屋のお坊ちゃま(thiếu gia ở ghép)」など、派生した表現が登場している。
恋人に求める経済力はどこまで許されるのか
この言葉が広がるにつれ、単なるネットスラングを超えて、恋愛における経済的な条件をめぐる議論へと発展した。
議論の一方では、自分自身の経済力以上の条件を恋人に求めることを皮肉る意見が出ている。
恋愛において最初からお金を重視し、相手の経済力を優先して選ぶのであれば、それは愛情よりも経済条件を重視しているのではないか、という批判である。
SNSでは、恋愛における経済的な条件を強く意識する姿勢を「現実的」と捉える意見がある一方、それを過度に批判することへの疑問も出ている。
「賃貸に住んでいるから」と判断してよいのか
一方で、「借家姫」という呼び方そのものに疑問を呈する声もある。
批判する側からすれば、恋愛相手にどの程度の経済力を求めるかは個人の選択であり、その人が賃貸住宅に住んでいることを理由に、その価値観まで揶揄する必要はないという考え方である。
実際、賃貸住宅に住んでいることだけでは、その人の収入や資産、家族背景などを判断することはできない。
そのため、「借家姫」や、そこから派生した「寮の王子様」「相部屋のお坊ちゃま」といった表現について、住んでいる場所や経済環境を基準に人を評価することにつながるのではないかとの指摘も出ている。
「自虐ネタ」として使う若者も
「借家姫」は、必ずしも他人を批判するためだけに使われているわけではない。
賃貸住宅に住んでいる若者の中には、自分自身を「借家姫」と呼び、住居環境や日常生活を笑いに変える自虐的な使い方も見られる。
当初は他人を皮肉るために使われた表現が、SNS上で広がる過程で、本人たちが自分自身を表現する言葉へと意味を広げている。
恋愛観と経済観をめぐるSNSの議論
「借家姫」という一つのネット上のコメントから始まった表現は、恋愛において相手にどの程度の経済力を求めるのか、また他人の生活環境をどこまで判断材料にしてよいのかという議論につながった。
同じ恋愛における経済的な条件についても、それを「現実的な選択」と見る人がいる一方、「相手をお金で判断している」と批判する人もいる。
さらに、その価値観を批判する際に、相手の住居や経済環境を揶揄する必要があるのかという別の問題も浮かび上がっている。
一つのSNS用語が、恋愛、経済、住居、そして他人に対する評価のあり方までをめぐる議論へと広がっている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



























