ベトナム税務当局は、税金の滞納などを理由とする「出国一時停止措置」の運用について、全国の税務当局に対して統一的な対応を求める文書を発出した。特に個人事業主や世帯事業者については、一定額以上の税金を長期間滞納した場合、出国が制限される可能性があるため注意が必要である。
税務当局が出国停止の運用を統一
税務総局は、政府の政令252/2026号に基づく出国一時停止措置について、各地の税務当局に対して適切な運用を求める公文書5622/CT-NVTを発出した。
税務当局は、出国一時停止を適用する際には、対象者や条件、手続きを正確に確認するとともに、納税者の合法的な権利・利益を保障する必要があると指摘している。
また、納税者が所定の条件を満たした場合には、出国一時停止の解除手続きを速やかに行うよう求めている。
各省・市の税務当局には、措置を適用する前に納税者の情報を正確に確認し、滞納している税額について本人に適切に通知することも求められている。
個人事業主は5,000万VND以上の滞納に注意
今回の制度で特に注意が必要なのが、個人事業主や世帯事業者である。
主な対象は次のように整理されている。
登録住所で営業していない場合
税務当局から「登録住所で営業していない」と判断された納税者について、120日が経過しても事業の再開手続きや納税者番号の終了手続きを行わない場合、出国一時停止の対象となる。
対象には、個人事業主、世帯事業者の経営者、企業や協同組合の法定代表者などが含まれる。
5,000万VND以上の税金を長期間滞納した場合
営業中または一時休業中の世帯事業者・個人事業主については、税務上の強制徴収措置の対象となっており、滞納額が5,000万VND以上、かつ納期限を120日以上経過している場合、出国一時停止の対象となる。
企業や協同組合については基準額がさらに高く、滞納額5億VND以上かつ納期限から120日以上経過した場合、法定代表者または実質的所有者が対象となる。
外国人や海外移住者はより注意が必要
外国人および海外への移住を目的として出国するベトナム人については、未納税金がある場合、事前通知の手続きを経ずに出国一時停止の通知が出されるケースもある。
一方、上記の一般的な対象については、原則として措置が正式に適用される30日前に、電子システムなどを通じて通知するとともに、税務当局のウェブサイト上でも公表する仕組みとなっている。
税金を納めれば出国停止は自動的に解除
税務当局では、出国一時停止に関する手続きのデジタル化も進めている。
納税者が銀行を通じて国庫への納税を行うと、税務システムが入金情報を受け取り、滞納額を自動的に相殺。その結果、出国一時停止の解除通知を作成し、電子署名を行ったうえで出入国管理当局のシステムへデータを送信する仕組みである。
例えば世帯事業者の場合、納税によって残りの滞納額が5,000万VND未満となれば、出国一時停止の解除対象となる。
これにより、納税後に税務当局と出入国管理当局の間で個別に手続きを行う負担を軽減する狙いがある。
eTax Mobileなどで滞納状況を確認
税務当局は、出国を予定している企業や個人に対し、事前に自身の税金の滞納状況を確認するよう呼びかけている。
確認には、税務当局の電子ポータルや「eTax Mobile」を利用できる。また、電子税務取引のアカウントを登録しておけば、メールや電話を通じて早期の警告通知を受け取ることも可能である。
ベトナムでは、税務手続きの電子化が進む一方、税金の滞納が出国という日常生活にも直接影響する仕組みが強化されている。特に個人事業主や世帯事業者にとっては、海外出張や一時帰国などの予定がある場合、出国直前ではなく日頃から税務上の滞納状況を確認しておくことが重要となりそうだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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