前回の一般スタッフ編に続いて管理者に絞って説明します。こちらは主観が混じった経験則からの話になりますが、次の3つのポイントに留意しています。
まず、傾聴力の重視。管理職候補は経験が豊富なので色々なケースへの解決策を知る人が多く、特に新規進出の会社にとっては重宝すべき人材でしょう。ただし、行き過ぎるとこうすべきという「べき論」ばかりを展開し、意見を押し通そうとする厄介者になりかねません。履歴書や職務経歴書の記述が雑であったり、説明をかなり省いている場合は、こうした独善的なタイプが少なくありません。
次に単純なタスクスペシャリストの傾向。こちらもまず履歴書と職務経歴書に着目してください。管理職としての役割を与えられながら、組織目標やチーム牽引についての記述に乏しい場合は要注意。タスクばかりが経歴書に羅列されます。
マネジャー職は抽象的思考ができるタイプでないと、中立的な立場で冷静な問題解決を図ることができません。上述のタイプは得てして居心地の良い集団に身を置くので派閥を作り、気に入らないメンバーを排除しようとします。
最後は家族(親族)関係の健全さ。道徳的観念を持った人間に囲まれていれば問題ありませんが、配偶者や親族からの「期待」、もっと言えば「そそのかし」があった時に、会社は公のもので誰も傷つかないからと不正を働いてしまう人がいます。
家族や近親者にお金に困った人や散財者がいないか、家族関係の把握には初期段階から努めることをお勧めします。