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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.75
被災者向け基金に寄付する義務は?
ベトナムの災害予防に関する法令

長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス Duong Thi Huynh Chi

―― 最近、ベトナムの北部で台風11号(通称「ヤギ」)が猛威を振るい、その被災者を支援するために、ベトナム共産党の祖国戦線中央委員会は募金運動を開始したと聞きました。インターネット上、多くの個人や企業が寄付を行った旨のニュースが流れていますが、寄付しなければならないのでしょうか。

チー いいえ。法令上、寄付は義務付けられていないため、任意に寄付しています。被災者の困難や被害を気にかけて、被災者の生活を迅速に復旧させることを願う人々や企業が寄付をしており、10億VND(約585万円)を寄付した企業もあったようです。

 一方で法令上、災害を予防・対策するために、企業や国民の定期的な寄付が求められる基金もありますね。

―― 義務ではないものの、人々や多くの企業が寄付していることに驚きました。定期的に寄付する基金について簡単に説明してもらえますか。

チー 災害予防・対策法上、各省において省級人民委員会が管理する災害予防・対策基金が設けられます。原則として企業および18歳以上の労働者は、所定の金額を寄付しなければなりません。寄付期限は、基本的に企業は毎年7月31日と11月30日まで、労働者は7月31日までとされています。

 この基金は、①被災者に対する食料等を緊急に援助する、②住宅、医療施設、学校を修繕する、③災害地域における環境衛生に関する問題を解決する、といった目的を優先して使用されています。

―― なるほど。人々の寄付金等で被災者の生活や災害地域の経済が、早めに復旧されることが望ましいですね。

Duong Thi Huynh Chi ユオン・ティ・フィン・チー
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィスに勤務するベトナム弁護士。2018年ホーチミン市法科大学卒業。現在はベトナム弁護士として日系企業に法的アドバイスを提供している。