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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.88|このチラシどこから来たんだろう?|ベトナムの広告法令

長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィスのファン・ダン・ホアン・チュック氏

―― この間タクシーに乗ったんですが、ドアを開けたら取手にチラシが挟まっていました。

チュック 確かに、そういうことはよくありますね。

―― チラシ配りのために、交差点で他人のバイクの後ろにチラシを挟んでいる人もいました。こうしたチラシ配りはしても良いのですか。

チュック チラシ配り自体は禁止されていません。ただし、景観を損ねたり、交通の安全や社会の秩序を乱したりした場合、チラシを配った人に対して警告または最大で200万VND(約1万円)の罰金、チラシに記載された商品・サービスの提供者には最大1000万VND(約5万円)の罰金が科される可能性があります。

―― チラシをバイクや車に挟むだけでも違反とみなされるのですか?

チュック 「景観を損ねる」や「交通、社会の秩序を乱す」といった行為は具体的に定義されていないので、当局がケースごとに判断することになると思います。

―― 場合によるということですね。

チュック 一方で、以前、チラシをばらまいたことにより罰金を科された人もいるので、チラシを道に散乱・放置すると処罰の対象になる可能性があると思います。

―― なるほど。色んな乗り物のすき間にチラシを挟むやり方なら、道に放置されるチラシの量を減らせそうですね。

チュック とはいえ、人に広告を無理やり受け取らせる行為は、最大で2000万VND(約11万円)の罰金の対象になることもあり、勝手にチラシを挟む行為が「強制的に受け取らせる」とみなされる可能性もあると思います。

―― 確かに、運転手の許可なしに勝手に挟むわけですもんね。

著者紹介:Phan Dang Hoang Truc ファン・ダン・ホアン・チュック
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィスのパラリーガル。2019年ホーチミン市法科大学卒業。2024年名古屋大学大学院法学研究科博士取得。法令リサーチ等弁護士の業務のサポートを担当。