ベトナムでは共働き世帯が増えている一方で、家事の多くは依然として妻が担っています。2025年10月にホーチミン市とハノイ在住の既婚男女300人(男女各150人)を対象に行った調査では、料理(主に妻が担当73%)、掃除(同71%)、買物(同74%)といった日常の家事は圧倒的に妻が中心とわかりました。
一方で、夫の関与が比較的高いのは子育てです。子どもの送迎を「主に夫が担当」と答えた人は42%、子どもの世話(食事や宿題など)は36%と、他の家事に比べて高い割合を示しています。
地域による違いも際立っています。ホーチミン市の夫は家事参加率が比較的高く、皿洗いでは26%が「主に夫」なのに対してハノイでは6%。買物でもホーチミン市が15%でハノイは1%と大きな差が見られます。都市部のホーチミン市では共働きや家事分担の意識が進んでいるのに対し、ハノイでは伝統的な役割分担が根強く残っていると考えられます。
また、年齢による差も明確です。20代では皿洗い21%、洗濯19%と比較的高い一方、40代では9%と11%まで低下します。年齢が上がるほど妻の負担が増える傾向があるとわかります。
この調査結果から、ベトナムの夫は「子育てには関与するが、その他の家事は限定的」という構図が浮かび上がります。
特にハノイや40代以上の夫では伝統的な役割分担が色濃く残る一方、ホーチミン市や若い世代では家事分担の意識が少しずつ高まりつつあることが見えてきます。今後はこうした地域間や世代間の差がどのように変化していくかが注目されます。



























