新型コロナ感染拡大後の経済回復は、全ての人が平等に享受できるものにはならない。一部の企業は生き延びることができるが、一部の労働者にとっては厳しい生活が待ち受ける。
COVID-19パンデミック後の経済回復の最新モデルは、「K字モデル」が海外のメディアでしばしば報じられている。
Kの直線部分は急速な景気後退を示しており、2つの斜めの線は、関連する企業や分野によって、相反する方向へ進むことを示している。
Kの2つの異なる方向性
Kの上向きの斜線に当てはまるのは、ビッグ・テック(Google、Amazon、Apple、Microsoft、Facebookなどの巨大IT企業)は、危機からゆっくりと離脱し、歴史的発展の頂点に向かって進んでいく。
2020年第2四半期のAmazonの売上は、昨年同期比で40%増加して889億USDとなった。世界中の多くの国でロックダウン措置が取られたことでデリバリーの需要が高まり、Amazonの食料品部門の売上はこの期間中に3倍に増加した。
同様に、ネットフリックス(オンラインビデオサービス)の株価は200%上昇し、テスラ(電気自動車会社)の株価は10倍に上昇した。
一方で、Kの下降斜線には、航空輸送、縫製、イベント、レストランなど、COVID-19の影響を大きく受けた分野の企業が含まれる。
ここ数ヶ月の間にオンラインストアの売上は40%増加したが、ホテル、リゾート施設、クルーズ船の売上は、同程度減少している。
労働者よりも年金受給者が有利
このような不平等現象は、消費者間でも見られる現象だ。有資格の社員、幹部社員、公務員、年金生活者は、一般的に所得水準が下がっておらず、パンデミックにおいても安全で健康に過ごすことができる。
フランスでは今年の年金受給が昨年より1.2%増加している一方で、平均給与所得は、昨年から5.3%減少している。
米国連邦準備制度(FED)の調査によると、資格を保有している労働者の63%がリモートワークに対応可能と回答しているのに対し、高校卒業レベル以下の労働者では、20%しかリモートワークに対応できないと回答している。
中小零細企業の社員、若年労働者、非正規雇用者など、不安定な生活を強いられている人々の生活は、ますます悪化している。
出典:07/09/2020 TUOI TRE
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