インドのモディ首相は、ベトナムのチン首相との会談で安全保障、防衛協力を強化し、大企業のベトナムへの投資を奨励することで合意した。
9月7日午前、インドネシアで開催された第43回ASEAN首脳会議に出席するためジャカルタを訪れていたファン・ミン・チン首相は、インドのナレンドラ・モディ首相と会談をおこない、両国が伝統的なパートナーシップと友好関係に基づき相互の戦略的利益を共有していることを再確認した。
両国首脳は、特にデジタルトランスフォーメーション、エネルギー変革、グリーン経済の発展などの新たな分野での協力を促進し、相互利益をもたらすことで合意した。両国は、包括的な戦略パートナーシップの柱である安全保障と防衛協力も強化させることで合意した。
世界経済が困難な問題に直面し、サプライチェーンに混乱が生じている中で両国政府は、企業の直面する課題を解決し、両国間の貿易を促進するために協力する。また、両国民の移動需要に対応するため、ベトナムとインドの航空当局は、両国の主要都市を繋ぐ直行便を増便するためお互いの航空会社のライセンス供与を検討する。
モディ首相は電子商取引に関する覚書と二国間経済協力協定に署名するというチン首相の提案を了承し、両国の貿易障壁の適用を制限することに同意した。モディ首相は、インドの大手企業によるベトナム投資を奨励することも明言した。
5月にインドのムンバイに本社を置くタタグループの子会社であるタタパワー社は、ソクチャン省における出力1200MWのロンフー2火力発電所プロジェクトの実現可能性調査を許可する書簡をベトナム政府から受け取ったと発表した。これは、インドのベトナムに対する投資案件としては最大規模のものになるとみられている。
同じ日にチン首相は、フィリピンのフェルディナンド・ロムアルデス・マルコス・ジュニア大統領とも会談し、農業、水産養殖業、石油・天然ガスなど潜在的な協力分を促進し、デジタル経済、循環型経済、グリーン経済など新たな分野での協力拡大を検討することで合意した。
両国首脳は、両国の知識経済の発展を支援するため、人材育成に関する協力を促進することで合意した。両国首脳はさらに、最近の世界的な食糧サプライチェーンの変動を受けて、食糧安全保障の観点から米の貿易協定に関して速やかに協議して署名することを確認した。
両首脳はまた、領海問題における協力促進と緊密な連携について意見交換をおこなった。フィリピンのマルコス大統領は、今後も友好の精神に基づいて拘束された漁民を人道的に扱うとともに、欧州委員会によるイエローカード解除に向けたベトナムの取り組みを支援すると述べた。
出典:07/09/2023 VNEXPRESS
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