ハノイ市で56人が死亡したミニアパート火災の出火原因は、スクーターのバッテリーケーブルの損傷であったことが判明した。
ハノイ市で発生した10階建てミニアパート火災から1週間が経過した9月20日にハノイ市警察は、バイクのバッテリーケーブルの損傷によるショートが出火原因だったと明らかにした。
9月12日の火災が発生した夜、このバイクはミニアパート1階南側の壁際に駐車されていた。この当時、1回には住民のバイクや自転車が100台近く駐車されていた。
調査の結果、出火原因となったバイクから1階の壁際設置されていた伝染部分やメーターボックスなどに延焼した。火災後の現場検証では、設置されていた4本の消火器の内3本が未使用だったことが判った。
ミニアパートの警備員だったゴー・フォー・ディエンさんは、爆発音が聞こえて焼けるような匂いがした後、配電盤から炎が燃え広がったと証言している。ディエンさんが配電盤に消火器を噴射すると、部屋の隅で火花が飛び散り、駐車されていたバイクに炎が飛び散った。
「消火器を噴射すればするほど炎が大きくなり、バイクに燃え広がりました」とディエンさんは話す。最初の爆発音の後で建物全体が停電し、真っ暗になった。ディエンさんと妻は住民に知らせるために火事になったと大声で叫んだ。
9月13日の警察発表によれば、火災は2時間近く続き、56人が死亡、37人が負傷した。
2015年3月にハノイ市タインスアン区が発給した建築許可によれば、このミニアパートは6階建てで1階の床面積は167㎡、建蔽率は70%で、建物の高さは20.2mとされていた。しかし、実際には建物のオーナーは、勝手に10階建てに変更し、床面積は230㎡で45部屋に分割して販売していた。
そのため、刑法313条の消防規定違反により、ミニアパートのオーナーであるギエム・クアン・ミン氏が身柄を拘束された。
9月15日付の公電でファン・ミン・チン首相は、今回の火災を極めて深刻な事態と評価した。チン首相は、公安省に対して人口が密集し火災が発生しやすい住宅に対する全件消防検査を実施し、状況を分析して解決策を提案するように指示した。この作業は、11月15日までに完了する予定だ。
5年前に13人が死亡、90人以上が負傷したホーチミン市8区のカリーナプラザで発生した火災でも、ホーチミン市警察はバイクから出た火花が出火原因だったと特定している。
バイク修理業で数十年の経験を持つグエン・トゥアンさんは、エンジンを切ったバイクがショートして火災が発生する可能性は極めて低いが、ゼロとは言えないと話す。例えば、近接した2本のケーブルがネズミに齧られてむき出しになって接触すれば、ショートする可能性がある。
ベトナム車両登録局によれば、バイクの自然発火は、非正規部品を取り付けた改造によって電気システムの容量オーバーが発生することで引き起こされる可能性があると指摘する。また、ガソリンやオイルが漏れていると火元に近づいて発火する可能性もある。
ベトナム車両登録局は、バイクの所有者に対して電気系統の故障があった場合には、直ちにメンテナスと修理をおこなうよう推奨している。また、給油する際も正規のガソリンスタンドでおこなうことを推奨している。
出典:20/09/2023 VNEXPRESS
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