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【経済】ベトナム米が世界輸出2位へ、日本には『低炭素米』を輸出

米の出荷作業
(C)THANH NIEN

ベトナム米、世界輸出第2位へ 日本市場でも「低炭素米」が本格進出

ベトナムの米輸出が急伸しており、2025年にはタイを抜いて世界第2位の輸出国となる見通しが示された。さらに、環境配慮型の「低炭素米(low carbon rice)」の輸出が日本市場で本格化するなど、国際市場での存在感を一段と高めている。

タイを抜く勢いのベトナム米

米国農務省(USDA)の5月時点の最新予測によると、ベトナムの2025年の米輸出量は790万トンに達し、720万トンにとどまると見られるタイを初めて上回る見通しだ。最大輸出国は引き続きインド(2,450万トン)だが、ベトナムが2位に浮上するのは史上初のこととなる。

ベトナムが第2位に躍進した背景には、アジア・アフリカ市場への安定供給や、米国による関税措置でタイ産高級香り米「ジャスミン米」への輸出圧力が高まったことなどがある。特に、フィリピン(540万トン)、中国(230万トン)、ナイジェリア(280万トン)など、伝統的な輸出先の需要が堅調に推移していることが、ベトナム産米の輸出量を後押しした。

価格上昇と高付加価値化

ベトナム国内でも、メコンデルタ地方の夏秋作が始まりつつある中で、米価格は上昇傾向にある。特に高品質米ST25や日本向けのジャポニカ米などが品薄で、1トンあたり1,200ドルを超える価格も見られる。

また、フィリピンやアフリカ向けの主力銘柄OM5451やĐT8も価格が上昇しており、日本市場向けのジャポニカ系品種も高値で取引されている。

日本市場で注目の「低炭素米」

こうした中、ベトナム政府が推進する「低炭素・高品質米100万ヘクタールプロジェクト」が実を結びつつある。今年5月には、このプロジェクトの一環として生産された「低炭素米」500トンが初めて日本市場に輸出される。

輸出を手がけるのはカントー市に拠点を置くTrung An(チュンアン)社で、日本の厳しい技術・品質基準をクリアし、現在は包装準備の最終段階に入っている。

「日本は最も厳格な市場ですが、今回の輸出は低炭素ブランド米が世界で通用することを証明する第一歩です」と、Trung An社のファム・タイ・ビン会長は話す。

日本の米不足とベトナム米のチャンス

日本ではこの1年間で米価格が過去最高水準に達しており、政府は備蓄米を市場に放出して価格の安定化を図っている。今年に入ってからすでに31万トン以上の備蓄米が市場に供給されており、今後も追加放出が予定されている。

こうした需給逼迫の中で、ベトナム産米の輸入が急増している。Tân Long(タンロン)グループの会長によれば、同社は2024年に日本へ5000トンの米を輸出しており、今年は1月から4月までに6,000トンを輸出済みで、年間輸出目標は3万トンに上る。

今後の展望

日本市場への「低炭素米」の輸出は、ベトナム農業の新たな成長モデルを象徴している。品質、環境、持続可能性を軸にした高付加価値戦略が奏功し始めていると言える。今後、ベトナムは「量」だけでなく「質」でも世界のコメ市場において確かな存在感を示していくことが期待される。

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