全国最高水準の数学成績を記録した進学校で不正疑惑
ベトナム北部トゥエンクアン省公安は7月5日夜、2026年高校卒業試験を巡る捜査の一環として、同省トゥエンクアン特別進学高校の数学教師グエン・ハー・ズイ氏(28)を緊急拘束した。
捜査は、同校試験会場で実施された2026年高校卒業試験の結果に関するもので、現在も詳しい事実関係の解明が進められている。
全国最高の数学成績が注目集める
教育訓練省が7月1日に試験結果を公表すると、同校の成績は全国的な注目を集めた。
受験者328人のうち290人以上が数学で9点以上(10点満点)を獲得し、このうち140人超が満点を記録。学校全体の数学平均点は9.58点に達し、全国トップとなっていた。
こうした極めて高い成績が、不正の可能性を含めた調査につながったとみられる。
全国数学オリンピック入賞の経歴を持つ若手教師
拘束されたグエン・ハー・ズイ氏は1998年生まれ。教育者の家庭に育ち、学生時代からトゥエンクアン省を代表する優秀な生徒として知られていた。
高校時代には省レベルの数学や情報学の競技会で数々の上位入賞を果たしたほか、数学の全国優秀生徒選抜大会では2年連続で入賞。自身もトゥエンクアン特別進学高校の卒業生である。
その後、ハノイ教育大学数学教育学部を優秀な成績で卒業し、2020年に母校へ赴任した。
AIを活用した授業でも高い評価
同氏は数学特進クラスの担任を務めるとともに、全国学力競技大会の代表生徒の指導にも携わり、多くの受賞者を育成してきた。
また、教育現場でAIを積極的に活用した教師としても知られている。
2022年以降はChatGPTをはじめ、Padlet、Quizizz、Azota、Kahootなどのデジタル教育ツールを授業に導入し、教材作成や個別最適化学習、生徒との双方向型授業を推進。教員向けの研修や、生徒へのAI活用指導にも取り組んできた。
さらに、2024~2025年度には省主催のEラーニング教材コンテストで最優秀賞を受賞し、「優秀教師」の表彰も受けるなど、教育界で将来を期待される若手教師の一人だった。
捜査の行方に教育界が注目
華々しい実績を重ねてきた若手教師が、高校卒業試験を巡る捜査対象となったことで、トゥエンクアン省のみならずベトナム教育界にも大きな衝撃が広がっている。
公安当局は現在も試験結果との関連について捜査を進めており、事件の全容解明を急いでいる。



















