ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

【経済 】国内酪農を後押し、輸入乳製品の管理強化へ

ベトナム国内の乳製品販売店
(C)THANH NIEN

ベトナムの酪農業は近年縮小傾向にあり、国民の重要な栄養源である牛乳の供給は輸入粉乳の再溶解品に大きく依存している。その結果、市場では本物と粗悪品が混在する状況が生まれている。

市場の混乱と国産牛乳の衰退

8月12日、商工省とベトナム乳業協会は国内乳業の発展をテーマにした会議を開催し、国内の酪農家、企業、専門家らが参加した。
ベトナム畜産協会によれば、2010~2015年に年15.4%と高成長を続けた国内乳牛頭数は、その後急減している。生乳生産量の増加率も同期間の年17.7%から2020~2024年には年3.3%に低下した。
背景には、長年にわたり市場が輸入粉乳の再溶解品(還元乳)に依存してきた構造がある。2009年時点で、液体牛乳のうち生乳由来はわずか8%に過ぎず、92%が還元乳だった。

国産原料は需要の4割のみ

現在、国内の生乳は消費量の約40%しか賄えず、残り60%は輸入に依存している。国内の大規模乳牛飼育はビナミルク(Vinamilk)やTHなどの大手企業が担う一方、小規模酪農家は減少傾向だ。
ベトナム畜産協会会長のグエン・スアン・ズーン氏は、都市化や環境問題、そして国の支援政策不足が酪農縮小の要因と指摘する。さらに「牛乳は子供や高齢者だけのもの」という誤った消費意識を改め、日常的に牛乳を摂取する文化を根付かせる必要性を強調した。

タイの事例と学校給食の重要性

ベトナムの一人当たり年間牛乳消費量は26~28リットルで、タイ(35リットル)、シンガポール(45リットル)、欧州(80~100リットル)に劣る。
畜産局のトン・スアン・チン副局長は、1992年に学校給食用牛乳プログラムを開始したタイでは乳牛が50万頭に増え、生産量がベトナムの2倍に達した事例を紹介し、国内酪農発展のため、学校給食プログラムの再開が不可欠だと提言した。

政策提案:税優遇と資金支援

乳業協会のチャン・クアン・チュン会長は、資金や土地利用の支援、持続可能な農業モデル導入の推進を提案。ビナミルクやTH Milkも、国内生乳への付加価値税(VAT)ゼロ化、高度酪農への補助金や低金利融資、土地集約による集中飼育地帯形成などを政府に要望した。

商工省:輸入乳製品の管理強化を明言

商工省のチューン・タイン・ホアイ次官は、国内酪農振興と並行して、今後は輸入乳製品の有効期限や流通経路の徹底管理を行う方針を表明した。
さらに、2030年までの乳業発展戦略案では、国内市場での品質検査強化、不正品や粗悪品排除、表示・広告規制、国産品優先消費運動の推進などを盛り込む予定だ。特に、輸入原料や添加物の使用履歴を追跡し、品質基準を満たすものだけを市場に流通させる仕組みを構築する。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN