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【事件】ベトナムで個人情報流出が深刻化|偽配送詐欺とAI悪用が拡大

警察に摘発されたオンライン詐欺グループ
(C)THANH NIEN

ベトナムで広がる「偽配送」詐欺とAI悪用の新手口

「警察からの郵便」? 偽配送詐欺が横行

ダナン市のマイ・ルエンさんは、週末に郵便局員を名乗る人物から「週末に刑事警察からの通知書を配送する」との電話を受けた。住所を聞き出そうとする相手を不審に思ったルエンさんはすぐに電話を切った。
実は、ほぼ同じころに同じ電話番号から別の市民であるビン・ブーさんのところにも同じような内容の電話がかかってきていた。ビン・ブーさんが詐欺通報専門サイトで調べてみたところ、郵便局職員を名乗る同じような手口の多くの詐欺にこの電話番号が使用されていたことが分かった。

通販の「便利さ」を逆手に

情報セキュリティ教育機関「アテナ・サイバーセキュリティ・トレーニング・センター」のボー・ドー・タン所長は、オンラインショッピングの普及が詐欺グループに悪用されていると指摘する。
「人々が日常的に荷物を受け取るようになった今、詐欺師はこの習慣を利用して“罠”を仕掛けてきます。鍵となるのは、注文時に入力された個人情報です。これが流出し、犯罪集団の手に渡ることで、配達員を装う詐欺が成立してしまうのです」と同氏は語る。

詐欺被害は、単に「代引き詐欺」にとどまらず、「誤送金を装った会員登録」や「違法取引に関与したと脅す警察詐称」など、複雑な心理操作へと発展している。
「誰が顧客情報を流出させているのか、誰が利益を得ているのか、責任の所在を明確にすべきだ」とタン氏は警鐘を鳴らす。

海外でも相次ぐ「偽小包」詐欺

同様の手口は米国や中国など他国でも発生している。中国・河南省鄭州市では、注文していない荷物を受け取った女性が「当選通知」を信じて投資に誘導され、最終的に70万元(約1500万円)を失ったケースも報告された。

仮想番号とAI技術が詐欺を拡大

捜査当局によると、詐欺グループは「仮想番号」を用い、インターネット経由で自動発信する仕組みを活用している。
被害者が電話に出るまで何度も自動的にコールが繰り返され、時間帯を問わず迷惑電話が続くという。

現在、SIMカードは通信会社の管理が厳格化され、使い捨てSIM(いわゆる“ジャンクSIM”)の利用は減っている。
しかし、「024」「028」「056」「059」などの仮想番号を使った自動発信では、発信元の特定やブロックが難しく、ユーザーは手作業で対応しきれない状況だ。

SNSの投稿からも情報が抜かれる

情報セキュリティ専門家のゴー・ミン・ヒエウ氏(通称:ヒエウPC)は、詐欺の第一歩は「心理操作」であり、そのために個人データが不可欠だと指摘する。
「犯罪者は闇市場で個人情報を購入したり、ハッキングで奪取したり、SNS上に本人が公開した写真や投稿からも収集しています」とヒエウ氏は説明する。

AIを悪用すれば、わずか1枚の写真からリアルな“偽動画”を生成し、本人の顔や声を再現することも容易だ。
「犯罪者はAIで“警察官”や“友人”になりすまし、恐怖や羞恥心を煽る。特に若者やその親がパニックに陥りやすい。AIが生成する映像は非常に精巧で、現実との区別がつかないケースも多い」と警鐘を鳴らした。

AIによるカード情報流出リスクも

セキュリティ企業Kasperskyによると、AI関連技術の一つ「Model Context Protocol(MCP)」がハッカーに悪用され、金融・クラウドサービスを通じた情報流出の経路となっているという。
これにより、クレジットカード情報や銀行口座、電子ウォレットなどが盗まれるリスクが高まっている。
専門家は、「AI関連ツールを導入する際は、接続先やサーバーの安全性を必ず確認すべきだ」と注意を呼びかけている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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