栃木県に住む25歳のベトナム人青年、グエン・ディン・ギアさんは、約400㎡の土地を利用し、多種多様なベトナム野菜を育てる青々とした菜園をつくりあげた。
休日を活用して始めた挑戦
ギアさんは2023年10月に日本に渡り、当初は会社勤めを中心とした生活を送っていた。しかし仕事量が少なく週末に時間ができたことから、自らの食生活を豊かにし、さらに日本の人々にベトナム野菜を味わってもらいたいとの思いで、2025年3月から野菜作りを始めた。
幼い頃から母の畑仕事を手伝った経験があったものの、日本特有の気候条件は想像以上に難しかったという。それでも3〜4か月の試行錯誤を経て、菜園は豊かに育った。
日本人隣人の温かい支援
開墾や資材調達では困難も多かった。特に農業用品店が遠い場所にあり、必要な肥料や道具の入手に苦労したという。そんな中、近所の日本人高齢夫婦が資材の購入を手助けし、大きな支えとなった。
ギアさんは毎朝5〜6時に起きて出勤前まで畑を手入れし、夕方も帰宅後に作業を続ける。除草剤を使わないため、広い畑の草取りは最大の課題だと語る。
ベトナム野菜が勢ぞろい
菜園には、空心菜、ツルムラサキ、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ、豆類、ラロット、ザウラム(ベトナムハーブ)、ゴーヤ、ヘチマ、ユウガオ、スイカ、ジャガイモ、トマト、キャベツなど、ベトナムでおなじみの野菜が並ぶ。スイカの栽培にも成功し、食卓にはベトナムの味がそのまま再現された。
収穫した野菜は自分で食べるだけでなく、近隣住民に配ったり販売したりしている。若者が農作業に取り組む姿は珍しく、周囲から驚きと称賛を受けている。
野菜を通じた交流とつながり
ギアさんにとって菜園は単なる食料供給の場にとどまらない。野菜を分け与えることで、日本人の隣人たちとの交流が深まった。特に空心菜の味は好評で、これまで口にしたことのなかったヘチマやラロットを使った調理法を紹介すると、住民との食卓がにぎやかになった。
さらに畑の中央には手作りの小屋を建て、時折ベトナム料理をふるまう場としている。「みんなが集まって食事を楽しむことで、近所付き合いがより親しくなった」とギアさんは笑顔で話す。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN