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ベトナムビジネス情報 Vol.183|東南アジア移住計画|Living in Southeast Asia

東南アジア各地の写真

ベトナムで暮らしてこの国が気に入り、「ずっと住みたい」と思う人もいるはずだ。ただ、残念ながら、労働ビザ以外で長期滞在する手段はほとんどない。ならば、「仕事をしないで長期滞在」の方法を、東南アジアで広く探してみた。

Vietnam「仕事をしない長期滞在」は難しい

 「仕事をしないで長期滞在」の第一候補はもちろんベトナムだ。実際、「日本に帰任したくない」、「帰国しても戻りたい」という声も良く聞く。そこで、アーリーリタイアメントを含めた長期滞在の可能性を探りたい。ただ、詳細に載せるととても誌面が足りないのでざっくりと。

 ベトナムでビザなしでの滞在は45日間に延びたが、長期滞在なので数年はほしい。労働許可証による滞在は2年単位。企業に勤務する必要があるので、「仕事をしない」に当てはまらない。

 投資家ビザによる滞在は5年~12ヶ月。やりようによっては働かなくて済むのかもしれないが、外国人投資家の滞在年数と出資額の概要は、DT1:最長5年で1000億VND以上、DT2:最長5年で500億~1000億VND未満、DT3:最長3年で30億~500億VND未満、DT4:最長12ヶ月で30億VND未満。500億VNDは約2億7500万円、30億VNDでも1650万円となるため、現実的とは言えない。

 ベトナム人との婚姻で、3年有効の一時在留許可証(TRC)などを取得できる。しかし、「仕事をしない」の? 婚姻により就労ビザも免除されるので、家族のために働きたい。

 このようにベトナムで無職の長期滞在は難しい。ただ、最近では一定額以上の投資を条件とする富裕層向け「ゴールデンビザ」の議論が始まった。5~10年間滞在可能なようだが、実現はまだ先だろう。

 では、東南アジア各国はどうだろうか。文化、国民性、物価、治安……と比較のポイントは多々あるが、第一に検証すべきは上記のように「長期滞在ビザ」の有無だ。

ベトナムのビーチ
夕日が沈む風景

Philippines 300万円で家族と共に永住権を獲得

 治安の悪さは多少あるが、英語が通じて明るい国民性のフィリピン。日本人が1年に50人だけ永住権を取得できるクォータービザ「Quota Visa」は確率が低く、7万5000USD(約820万円)の株式投資が必要な投資家ビザ「SIRV」は少々お高い。

 50歳以上からと年齢制限はあるが、退職者向けのリタイアメントビザ「SRRV」(Special Resident Retiree’s Visaa)は割安感がある。扶養家族が帯同できて無期限、永住も可能だ。

 現実的なオプションとして3種類があったが、公式サイトには外国人向けにClassicが記載。年金受給者は1万USD(約145万円)、非年金受給者は2万USD(約290万円)を現地銀行に預金。年金受給者は月額800USD(約12万円)以上、扶養家族がいる場合は月額1000USD(約15万円)以上の年金受給証明が必要となる。

 観光客は30日間はビザなしで滞在でき、観光ビザに切り替えてから追加延長を続けることで、最長3年間(36ヶ月)滞在可能。この間に移住の是非を決めてはいかが?

フィリピンのスキューバダイビング

Indonesia 20億ルピアの預金か退職者ビザか?

 インドネシアで外国人向けのゴールデンビザとして2022年から始まったのがセカンドホームビザ「Second Home Visa」だ。5~10年の滞在ができ、配偶者など家族の申請も可能。しかし、現地の銀行での20億ルピア(約1750万円)以上の預金が条件だ。移住後の生活費等を考えるとこの金額を用意できる人は少ないだろう。

 55歳以上のリタイアメントビザ「Retirement KITAS」は1年間有効で最長5年間の延長が可能、その後は永住許可証が申請できる。月に1500USD(約22万円)以上の年金受給か預金の証明、医療保険への加入、3万5000USD(約500万円)以上の居住施設の購入か月500USD(約7万2000円)以上の賃貸契約、インドネシア人の雇用など条件は多い。

 同じくリタイアメントビザの「Silver Hair Visa」は60歳以上が対象で、5年間の滞在で5年間の延長が可能。現地の銀行に5万USD(約720万円)の預金と月額3000USD(約43万円)以上の収入や給付が必要だ。どちらも退職後のプランとして金額に納得できれば可能か。

インドネシアの女性

Thailand 微笑みの国は長期滞在者にも微笑むか

 タイのビザには多くの種類があり、長期滞在向けに注目したいのが3つ。外国の富裕層や高度な専門職向けの長期居住者ビザ「「LTR」(Long Term Resident Program)、VIP観光客向けのタイランドプリビレッジ「Thailand Privilege Visa」、50歳以上のリタイアメントビザ「Non-immigrant O」だ。

 LTRは更新可能な10年ビザで、仕事をしない前提だと過去2年間の年間平均個人所得が8万USD(約1200万円)以上、10万USD(約1400万円)以上の銀行預金など条件が厳しい。Thailand Privilege Visaは入会金を「支払って」メンバーになる方法で、一番安価な「Bronze」は滞在5年で65万バーツ(約280万円)、「Diamond」は15年で250万バーツ(約1100万円)になる。

 Non-immigrant Oにはいくつか種類があり、1年間有効の「O-A」はタイの銀行口座に80万バーツ(約350万円)以上、5年間有効で最長10年の「O-X」は300万バーツ(約1300万円)以上の預金が条件になる。微笑みは難しいか?

タイのビーチと小舟

Malaysia 数千万円を用意できる富裕層向け

 年齢制限なし、最長20年で20年間更新も可、家族を帯同でき、就労や事業活動、就学まで可能なのが「PVIP」(Malaysia Premium Visa Programme)だ。しかし、マレーシア国外での収入が月収で4万RM(リンギット:約137万円)以上か年収で48万RM(約1650万円)以上。しかも、マレーシア国内の銀行で100万RM(約3400万円)以上の定期預金+参加費20万RM(約685万円)が必要なので無理!

 希望者が多いMM2H(Malaysia My Second Home)も最長20年間で、帯同ビザの取得も可能。4カテゴリーの2つを紹介すれば、「Silver」は年齢25歳以上、5年滞在、定期預金15万USD(約2170万円)以上、不動産購入60万RM(約2050万円)以上、参加費1000RM(約3万円)。「Gold」は年齢25歳以上、15年滞在、定期預金50万USD(約7250万円)以上、不動産購入100万RM(約3400万円)以上、参加費3000RM(約10万円)。

 上記を日本円で合算するとSilverで4223万円、Goldで1億660万円。PVIPの方がお得になる場合もあり、いずれにせよ、高い!

マレーシアのパラセーリング

Cambodia 18歳以上、最長10年、永住まで!

 カンボジアは2022年、外国人向けの「CM2H」(Cambodia My 2nd Home)という長期滞在ビザをスタートさせた。滞在期間は最長10年間、ビザ取得の5年後にはカンボジアのパスポートが申請できるので、移住ではなく永住も可能。年齢は18歳以上とリタイアメントビザではない点もポイントだ。

 条件は政府が承認した不動産へ5万USD(約720万円)以上投資し、CM2Hの10年間のメンバーシップに5万USD(事前審査費と審査通過後の入会費を含む)で加入すること。高額ではあるもののCM2Hメンバーの特典が多く、申請費用は無料だ。

 他には観光ビザ(T)やビジネスビザ(E)等があり、それぞれ延長もできるが、数年単位の「仕事をしないで長期滞在」には向かない。ただ、Eから55歳以上のリタイアメントビザ(ER)への延長ができそうだ。延長は12ヶ月間有効で毎年更新可能。公式の収入要件はないが、月額1000USD(約15万円)程度の収入の証明が必要と思われる。

カンボジアのビーチ

Taiwan あなたは資格あり?Webでチャレンジ

 シンガポールやラオスなどではリタイアメントビザなどがなく、範囲を東アジアまで広げて台湾へ。観光ビザで最長90日間、ワーキングホリデービザ(18~30歳)で最長1年間、55歳以上のリタイアメントビザでも最長180日の少々短い。

 しかし、万人が対象ではないがユニークなのが「台湾就業ゴールドカード」だ。外国人の高度人材向けの、居留ビザ、労働許可証、外国人登録証、再入国許可証の4つの機能を備えたカードで、1~3年の有効期限内なら自由に求職、就職、転職できる。事前に台湾での仕事を見つける必要がないのだ。

 しかも、家族の居住権を申請でき、3年以上継続して台湾に在留すれば永住許可の申請が可能。職種の対象は10分野で、ハイテク、経済、教育、文化・芸術、スポーツ、金融、法律、建築設計、国防、デジタル、とその他。

 専用Webサイトから申請を完了でき、自分が該当者か否かがわかる質問票も掲載している。日本語版もあるので、試してみてはいかが?

台湾の海辺を歩く女性

取材・執筆:高橋正志(ACCESS編集長)
ベトナム在住11年。日本とベトナムで約25年の編集者とライターの経験を持つ。
専門はビジネス全般。

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