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ベトナム法律事情Vol.16
Netflixがピンチ?
ベトナムのライセンス問題

―― 駐在生活に慣れてきたのか、最近は休日に出かけることが少なくなってきました…。海外ドラマが好きなのでNetflixは暇つぶしの救世主です!

鷹野 いつでもどこでも好きな番組が見られるので、重宝しますよね。そういえば、Netflixについて最近注目のニュースがあったのをご存知ですか?

―― えっ、何か新しい番組が配信されたのですか?

鷹野 いえいえ、配信番組のことではありませんよ。ベトナムにおける大手TVメーカー4社(ソニー、サムスン電子、LGエレクトロニクス、TCL)が、自社の製造するテレビからNetflixのアプリを削除することに決定したというニュースがありましたね。ベトナム情報通信省が、Netflixはいくつかの法令違反を犯していると同4社に指摘したところ、このような結果となったようです。

―― 政府からの指摘だと、なかなか逆らえないですね…。具体的にはどのような法令違反なんでしょうか? 

鷹野 ベトナムでは、通信サービスを提供する場合、ライセンスを取得する必要があります。また、外国語の番組を翻訳・放映する場合にも、法令の要件を満たさなければなりません。例えば、外国のドラマやアニメを放映する場合は、すべてベトナム語に翻訳をしなければならないといった要件があります。Netflixは、これらの要件を満たしていないと指摘されていますね。

―― Netflixのようなグローバル企業でも、このような問題が起きるのですね。

鷹野 ベトナムで外資系企業が何かのサービス事業を行う場合、ライセンスの取得の要否は避けて通れない問題です。事業を始めてしまってから問題にならないように、事前にしっかりチェックしておく必要がありますね。

鷹野 亨 Toru Takano
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス弁護士。2012年日本国弁護士登録以降、経済産業省での2年半の勤務を経て、現在は主としてベトナムへの進出及び現地企業への法務アドバイスを行う。