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ベトナム法律事情Vol.27
来年の法改正で脱印鑑が進む?
ベトナムの印鑑事情

―― ベトナムでも、コロナ禍で在宅勤務が一気に加速しましたね。今はオフィスに通えていますが、これからは在宅勤務を想定する必要があります。

鷹野 在宅勤務で困る問題の一つに印鑑がありますね。ベトナムのビジネスでは、日本同様に印鑑を使う文化が定着していますからね。

―― そうですね。契約書や行政関連の書類など、全部印鑑を押してますね。在宅勤務中も、印鑑押すためだけに会社に行ったり。

鷹野 その文化が変わるかもしれません。企業法が改正され、2021年1月1日に施行されます。これまで会社は印鑑(社印)を当局に登録しなければならないとされていました。新企業法では、会社は印鑑とするか電子署名とするかを選ぶことができ、当局への登録も不要となりました。つまり、社印を持つことは、会社の義務ではなくなったんです。

―― 手続きが簡単になり、良いニュースですね。

鷹野 ただ、電子署名が一気に定着するとまでは言い切れないと思っています。契約書への押印も、法律で義務はありませんが、ほとんどの会社が印鑑を押している実情がありますね。

―― 確かに、相手の会社が印鑑を押していたら、私たちも押さなきゃという同調圧力が働きそうですね。

鷹野 会社の印鑑があると契約書の証拠価値がより上がる、という考え方が背景にあるようです。もっとも、印鑑の文化がない国の会社との取引では、印鑑を押さないことが普通ですからね。今後、国内間の取引や行政手続きでも、脱印鑑が進むか注目です。

鷹野 亨 Toru Takano
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス弁護士。2012年日本国弁護士登録以降、経済産業省での2年半の勤務を経て、現在は主としてベトナムへの進出及び現地企業への法務アドバイスを行う。