ベトナムでは、電動バイク(以下EVバイク)の走行台数が目に見えて増えている。その背景として、ベトナム最大のコングロマリットであるビングループが開発するVinFastブランドのEVバイクの増産、ペダル付きで自走するEVバイク(主に中国製)の手頃な価格、運転者の年齢制限がないため中学生以上の通学用に利用、などがある。
実際にハノイではビングループのEVバスもかなり増え、学生を中心に中国製のEVバイクを良く見かける。加えて2022年10月頃にはガソリン価格が急騰し、供給不足や売り惜しみでガソリンスタンドが閉鎖したため、数少ないガソリンスタンドに長蛇の列ができる自体となった。この騒動をきっかけにEVバイクの購入を検討した人も多いと思われる。
一方の充電設備は、一軒家なら自宅にEVバイクを引き入れ、コンセントにつないで充電できる。しかし、マンションでは新築以外は駐車場に充電設備がまずないため、バッテリーを取り外して自室まで持ち帰って充電するしかない。これが結構な手間になっているようだ。
しかし、この数年でビングループが展開しているVinhomesブランドの住宅やマンションには、すべてに充電設備が設置されているという。また、同グループのショッピングセンターでは、VinFastの自動車やバイクなら駐車料金が無料になるといった特典がある。
加えて、自社の住宅案件以外への充電ステーションの設置を展開しているという報道もあり、EVの普及に向けた力の入れ方が伝わる。今後のベトナムEV市場への日系メーカーの参入を期待したい。