人口約1億人のベトナムには、何と約32万軒ものカフェが存在します。日本(人口約1.2億人)のカフェ店舗数が約5.9万軒であることと比べても、その多さは驚異的です。このカフェ文化の浸透が、ベトナム人の飲料習慣に独自の色を加えています。
今回、ホーチミン市とハノイに住む男女200人を対象に2025年7月に実施した調査では、コーヒーやミルクティー、フルーツジュースなどが「リラックスしたい時」や、「自分へのご褒美」といったシーンで多く飲まれていることがわかりました。
特にカフェで提供される飲み物は、「癒やし」や「贅沢感」などの感情価値が強く、気分転換のパートナーとして定着しています。
好きな飲料ブランドでは、Coca-Cola(20%)、Pepsi(17%)、C2(10%)、Vinamilk(7%)といったRTD(レディ・トゥ・ドリンク)製品に加え、Phuc Long(7%)、Highlands Coffee(4%)、ToCoToCo(4%)などのカフェブランドも上位に入りました。週末などの時間をカフェで過ごす人も多く、カフェでの体験そのものが、ブランドイメージを強くする一因となっています。
さらに最近では、フルーツ風味のボトルティーやヨーグルト系飲料、ハーブ系ドリンクなど、健康志向の高まりを受けた新商品が次々と登場しています。飲み物は単なる水分補給にとどまらず、心と体を整える「セルフケア」としての役割も果たし始めています。
ベトナムのドリンク文化は、カフェを中心に「気分×機能性」で進化を続けています。その多彩さと奥深さに、今後ますます注目が集まりそうです。