高齢者150万人超、想定以上のスピードで増加
ホーチミン市では、高齢化の進行が加速している。
統計によると、同市は2017年に高齢化社会(60歳以上が人口の10%超)に正式に突入した。当時の高齢者数は約88万9,000人(10.28%)であった。
その後、2025年には高齢者の割合が11.4%に上昇し、人数は約157万人に達した。2017年からの8年間で約68万人増加し、年間平均で約8万5,000人のペースで増えている。
この急増は従来の予測を上回るスピードであり、医療・社会保障体制の整備が急務となっている。
慢性疾患と低所得が生活に影響
高齢者の増加に伴い、健康問題も深刻化している。
ホーチミン市保健局によると、疾病構造は感染症中心から、糖尿病や高血圧などの非感染性疾患へと急速に移行している。
高齢者は平均して2つ以上の慢性疾患を抱え、生涯にわたり治療が必要となるケースが多い。さらに、多くの高齢者は低所得または無収入で、家族に依存する生活を余儀なくされており、精神面や社会参加にも影響が出ている。
医療体制は整備進むも専門病院不足
市内では一定の医療体制整備が進んでいる。
平均寿命は2025年時点で76.7歳となり、すべての病院(小児専門を除く)に高齢者向け病床が設置されている。高齢者専門科を有する病院は12施設、高齢者ユニットは6施設、他科と統合された高齢者診療部門も11施設ある。
また、地域レベルでは健康管理や定期検診、慢性疾患の管理が進められている。
しかし、高齢者専門病院は未整備であり、急速な高齢化に対して医療体制が追いついていないのが現状である。
年間外来500万件超、医療需要拡大
高齢者の医療利用も増加している。
年間の外来受診は500万~600万件、入院は32万~38万件に達し、その約70~80%が公立病院で治療を受けている。
一方で、文化活動やスポーツ、交流活動なども拡充され、生活の質向上に向けた取り組みも進められている。
2030年までに専門病院・介護モデル整備へ
今後の方針として、医療当局は以下の目標を掲げている。
・平均寿命77歳、健康寿命68年の実現
・高齢者の100%が定期健康診断を受診
・慢性疾患の包括管理体制構築
・高齢者専門病院の設立
・デイケア型高齢者センターの試験導入
「4層モデル」で在宅中心の介護へ
ホーチミン市は高齢者ケアの新たな枠組みとして、4層構造のケアモデルを構築中である。
1層:在宅・地域でのケア(最優先)
2層:自立支援型コミュニティケア
3層:専門介護(認知症など)
4層:病院ケア・介護人材育成
地域での生活維持を重視する方針が特徴である。
老人ホーム整備へ民間参入促進も課題山積
2030年までに、30以上の高齢者ケア施設(入所型15、デイケア型15)の新設が目標とされている。
さらに、全168行政区に地域ケアネットワークを整備し、専門人材2,500人の育成も計画されている。
しかし、現実には課題も多い。
・用地確保の困難
・税制・金融支援の不足
・投資誘導の制度不備
・介護人材不足(2,500人でも不十分)
などが「ボトルネック」として指摘されている。
政策支援の不十分さも課題
専門家は、国家だけで需要を満たすことは困難であり、民間企業の参入が不可欠と指摘する。
一方で、現行政策では老人ホーム建設に対する明確な優遇措置が不足しており、制度整備の遅れが開発の障害となっている。
急速な高齢化に対応するためには、医療・介護・都市政策を一体化した抜本的な改革が求められている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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