ホーチミンの街に根付いた“外国人屋台”
ホーチミン市のズーンバーチャック通りでは、夕方になると一人の外国人男性がソーセージを焼く光景が日常となっている。
オランダ出身のクリフォード・アレクサンダー・バントール氏は、かつてホーチミン市の路上屋台でドイツソーセージ販売店の主として人気を博した人物であり、現在も小さな店を構え営業を続けている。
店名「アン・バー・タイ」は地元客の間で広く知られ、香ばしいソーセージの匂いに誘われて多くの客が足を止める。
屋台から始まった夫婦の挑戦
クリフォード・アレクサンダー・バントール氏は2013年にベトナムへ渡り、ベトナム人女性ラン・チン氏と結婚。
同年、妻は仕事を辞め、夫婦で移動式のソーセージ屋台を始めた。
当初は小さな屋台を引いて市内を回る生活であったが、約1年後の2014年に現在の場所へ移転し、固定店舗として営業を開始した。
以降、庶民的な外国人屋台として評判を集め、長年通う常連客も多い。
店名は2016年に、家族で3番目の子どもを意味するベトナム語から名付けられたという。
味を支える“本場のこだわり”
店の人気を支える最大の要因は素材へのこだわりである。
ソーセージはドイツから輸入した肉のみを使用し、つなぎや添加物を加えず、単一の供給元に限定することで味の一貫性を保っている。
味は軽い塩味と燻製の香りが特徴で、最初は慣れない客でも次第にクセになると評される。
さらに、ハンバーガーやホットドッグ、チーズ入りソーセージ、カレー風味など、メニューの多様化も進めている。
すべて注文後に焼き上げるため、提供まで時間がかかる場合もあるが、その分、鮮度の高さが評価されている。
常連客に支えられる小さな名店
テイクアウト中心の小さな店舗ながら、接客は家庭的で温かい。
長年通う常連客も多く、5年以上通い続ける客も珍しくない。
客の一人は「牛肉の風味がしっかりしており、香辛料でごまかしていない本物の味」と評価しており、週に数回訪れる人もいるほどの人気ぶりである。
ベトナム料理に魅了された外国人店主
西洋料理を提供する一方で、バントール氏自身はベトナム料理の熱心な愛好者でもある。
初めてベトナムに来た際に食べたフォーの味に衝撃を受け、その後も多くのベトナム料理を体験してきた。
フォーやバインミーといった定番だけでなく、ホビロン(孵化しかけの卵)やニョクマム(魚醤)といった外国人には敬遠されがちな食材にも積極的に挑戦してきた。中でもお気に入りは「ブンダウマムトム」だ。
バントール氏は、「ベトナム料理で食べられない料理はありませんよ」と笑顔で語り、ベトナム料理の多様性と奥深さを高く評価している。
食文化を通じた“第二の故郷”
日常の食事もベトナム料理が中心であり、味のバランスの良さや飽きのこなさを魅力として挙げる。母国オランダではパンやチーズ中心の食生活だったのに対し、ベトナムでは毎日異なる料理を楽しめる点が大きな違いだという。
同氏にとって食は単なる栄養補給ではなく、文化や人々とつながる手段である。
これまで訪れた店や食べた料理の一つ一つが、ベトナム社会への理解を深めるきっかけとなってきた。
10年以上にわたりホーチミン市で暮らす中で、同氏の人生と食文化はすでにこの地と深く結びついている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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