物価高が直撃、労働者の食事が悪化
2026年3月中旬以降、国内のガソリン、ディーゼル、ガス価格の上昇を受け、多くの消費財価格も一斉に上昇した。足元では燃料価格はやや落ち着いているものの、商品・サービスの価格水準は依然として高止まりしている。
この影響は特に、ホーチミン市の工場労働者や日雇い労働者の生活に直結し、日々の食事にも深刻な影響を及ぼしている。
4万VNDでも「満腹にならない」現実
ある大衆食堂では、4月5日から食事1食あたりの価格が3万5,000VNDから4万VNDへと引き上げられた。店主は、燃料費だけでなく、米、野菜、肉、調味料に至るまで仕入れ価格が全面的に上昇したことが背景にあると説明する。
一方、労働者側の負担も増している。建設現場で働く労働者は、以前は約3万VNDで肉や魚、スープ付きの食事に加え、5,000VNDでご飯も追加できて十分満腹になっていたという。
しかし現在は、4万VNDに値上がりしたにもかかわらず、量が減ったことでご飯を追加してもおかずが足らず、ごはんに醤油をかけてしのぐ状況が続いている。
さらにゴーヤの肉詰めやカインチュアといったスープを追加すれば1食7万VNDに達し、「日々の収入では生活費をまかなえない」との声も上がっている。
給食業者も苦境、月1億VND超の赤字
企業側も厳しい状況に置かれている。
工場に食事を提供する企業の代表は、ここ約2か月間、契約維持のために毎月1億VND以上の赤字を補填していると明かした。1日約1万食を提供する中で、1食あたり3,000~5,000VNDの損失が発生しているという。
背景には、以下の構造的な問題がある。
- 契約は通常6か月単位
- 食材価格は週単位で変動
このギャップにより、価格転嫁が困難となっている。
加えて、税金、社会保険料、銀行金利といった固定コストも重くのしかかる。企業は品質と量を維持しながら、牛肉を豚肉や鶏肉に切り替えるなど、メニューの調整で対応している。
人手確保にも影響、労働者の流出懸念
企業はコスト削減のため、従業員1人あたりの業務を増やし、生産性向上で対応している。
また、ガス価格の高騰を受け、太陽光発電の活用や蒸気熱の再利用など、省エネ対策も進めている。
しかし最大の懸念は人材確保である。物価上昇と家賃高騰により、労働者が生活を維持できず、地方へ戻るケースが増えている。
企業側は、交通費や通信費の補助など福利厚生の拡充が不可欠だと指摘する。
製造業にも波及、利益圧迫
この影響は給食業界にとどまらない。
発電機メーカーや輸出向け陶芸企業なども、燃料価格の上昇により輸送コストが増大し、収益を圧迫されている。
特に欧州市場向け輸出企業では、輸送費増加にもかかわらず取引先から値下げを求められ、利益縮小を余儀なくされている。その結果、労働者への賃金や賞与、福利厚生の維持が難しくなっている。
物価上昇が続く中、労働者と企業の双方がコスト増に耐えながら対応を迫られており、生活費の圧迫と企業収益の悪化が同時に進行する状況は、今後の労働市場や生産活動にも影響を及ぼす可能性がある。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















