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ベトナム、内需刺激へ本腰 偽造品対策と「観光×買い物」で消費拡大狙う

ベトナムのスーパーマーケットで商品を確認す買い物客
(C)THANH NIEN

ベトナムで内需拡大を通じた経済成長の下支えに向けた議論が活発化している。5月22日に開催された「購買力回復と消費刺激」をテーマとするセミナーでは、企業や専門家から、偽造品対策や国内製造支援、消費者金融の拡充、観光客向けショッピング強化など、多岐にわたる提言が示された。

主催者によると、2025年最初の4か月間の小売売上高と消費サービス収入は前年同期比11.1%増の約2兆6000億VNDに達した。一方で、月別では消費の勢いにばらつきがあり、消費者の節約志向が依然として強いという。

「激安卵」が安全な食品を圧迫

セミナーでは、低品質商品や偽造品の氾濫が、消費者心理を冷え込ませている実態が相次いで報告された。

農業関連企業Mebi Farmのラム・トゥイ・アイ社長は、飼料、物流、ワクチン、人件費などの上昇により、生産コストが以前より約35%増加したと説明した。

現在、衛生基準を満たした鶏卵1個の生産コストは2,200~2,400VND程度に達しているという。一方、市場では1個1,000VND、10個で1万VNDという極端に安い卵も流通している。

同氏によれば、これらは大規模農場で売れ残った「余剰卵」や、賞味期限間近、あるいは期限切れの商品が含まれている可能性があるという。低所得層や労働者層は価格の安さに引かれやすく、結果として安全な食品が市場で苦戦していると訴えた。

偽ブランド問題が消費者信頼を揺るがす

プラスチック製品大手ビンミン・プラスチックも、偽造品被害を訴えた。

同社のボン・ホア・ビエット開発部長によれば、類似名称の企業設立やロゴ・色使いの模倣によって、消費者を混乱させるケースが後を絶たないという。

同社のブランドを模倣した商品は20種類以上確認されており、長年にわたり商標侵害訴訟を続けているが、「対応しきれない」と現状への危機感を示した。

同氏は、消費拡大には「消費者が本物の商品に安心してお金を払える環境づくり」が不可欠だと強調した。

小売各社、価格抑制と品質管理を強化

小売最大手WinMartを展開するMasanグループのグエン・ミン・タム部長は、全国約5,000店舗という規模を活用し、価格競争力を維持していると説明した。

地政学リスクによる物価上昇で仕入価格引き上げ要請も増えているが、慎重に対応しているという。また、倉庫管理や物流システムのデジタル化によって運営コスト削減を進めている。

さらに、食品安全検査ラボを北部・中部・南部の3地域に設置し、品質管理体制を強化しているとした。

「メイド・イン・ベトナム」に商機

家電メーカーのホアファットは、ベトナム製品への評価が高まりつつあると指摘した。

同社のブー・ソン・ドン副社長は、これまでベトナムの家電市場は輸入品優位だったが、近年は消費者が原産地や耐久性、アフターサービスを重視する傾向が強まっていると説明した。

同社は自社生産を強化することで、原材料価格変動やサプライチェーン混乱の影響を抑え、価格競争力を維持しているという。

また、政府に対しては、国内部品産業の支援や、「メイド・イン・ベトナム」製品優遇策の導入を求めた。

消費者ローン上限引き上げを提案

消費金融会社Fe Creditも、消費刺激策としてローン制度拡充の必要性を訴えた。

同社のレ・チューン・ホアン氏は、現在の消費者ローン上限である1億VNDは実需に対して低すぎると指摘。上限を4億VND程度まで引き上げるよう提案した。

メーカーや小売企業と連携し、金利0%の分割払いプログラムも拡大しているという。

観光を「消費拡大装置」に

今回のセミナーで特に注目を集めたのが、「観光とショッピング」を組み合わせた消費拡大戦略である。

IPPG(Imex Pan Pacific Group)のレ・ホン・トゥイ・ティエンCEOは、中国・海南島の免税政策を例に挙げ、観光客の買い物需要が巨大な経済効果を生むと指摘した。

同氏によれば、ベトナムを訪れる外国人観光客は宿泊や飲食には積極的に支出する一方、買い物には慎重であり、「財布を開く理由」を提供できていないという。

さらに、2024年には外国人観光客のベトナム国内消費額が121.9億USDだったのに対し、ベトナム人の海外ショッピング支出は125.7億USDに達し、観光分野だけで約4億USDの赤字となったと説明した。

「Shopping in Vietnam」実現へ

IPPGは政府に対し、2045年までのアウトレットモール開発計画の早期具体化を提案した。

具体的には、ショッピング、娯楽、文化、飲食を一体化した大型複合施設「mixed-use outlet」の整備を求めている。海外ブランドだけでなく、高品質なベトナム製品を一定割合で販売する仕組みも導入すべきだとした。

また、Vietluxtourのチャン・テー・ズン社長も、「観光客は地域経済にとっての“移動する財布”だ」と指摘。現在のベトナムには国際観光客向けの大型アウトレットや本格的ショッピングセンターが不足していると述べた。

同氏は、旅行会社、小売、製造業、地方政府が連携し、地域色ある商品開発や買い物体験を強化する必要があると提言した。

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