ホーチミン市は5月23日、ディエンビエンフー―グエンビンキエム交差点で新たな交通運用方式の試験導入を開始した。長年続いてきたロータリー形式を改め、信号機と中央分離帯による交通制御へ移行した。
初日の交通状況は全体として大きな混乱には至らなかったものの、従来の走行習慣に慣れた市民の戸惑いが目立ち、一部では逆走しかける車両も見られた。
長年の走行習慣に変化
23日朝の交差点では、従来と同じ形状のロータリーが残されている一方、内部の交通ルールは大きく変更された。
新たに設置された信号機や中央分離帯により、車両の進行方向が明確に区分され、これまでのように円形に流入・周回する方式ではなくなった。
現場には早朝から交通警察や関係機関職員が配置され、市民に対して新たな通行方法を案内した。
交通量は比較的安定しており、大規模な渋滞は発生しなかったが、多くのドライバーが従来の感覚で進入し、急ブレーキをかける場面も確認された。
「信号が見えづらい」との声も
特に、市中心部からディエンビエンフー橋方面へ向かう車線では、新設された信号機や分離帯に気付くのが遅れ、減速する車両が相次いだ。
市民からは、「信号機の位置が見えづらい」との指摘も上がっている。
これまで長年にわたり連続通行型のロータリーとして運用されてきた交差点だけに、信号制御方式へ変更するには、遠方からでも直感的に認識できる標識や信号配置が必要との意見が多く聞かれた。
渋滞解消狙い、1か月間試験運用
ホーチミン市建設局傘下の交通・技術インフラ管理センターによると、今回の試験導入に先立ち、交通量調査や実地測定を行ったという。
路面表示、標識、分離フェンスの設置工事は、交通への影響を抑えるため夜間に実施された。
同センターは、これまで同交差点で慢性的な渋滞が発生していた主因として、ロータリー内で車両の流れが絶えず交錯していた点を挙げている。
今回の変更は単なる信号追加ではなく、ホーチミン市有数の交通量を抱える主要交差点の車両動線を再設計する試みだとしている。
今後の大型交差点整備の試金石に
関係当局は、今後1か月間の試験運用期間中に交通流量や渋滞状況を継続的に分析し、信号サイクルなどを調整していく方針である。
ディエンビエンフー交差点の外観自体は従来と大きく変わっていない。しかし、その内部では交通運用の考え方が大きく転換し始めている。
今回の試験導入は、今後ホーチミン市が他の大型交差点で採用する交通整理手法のモデルケースとなる可能性がある。



















