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ベトナム、VAT新制度が施行 生命保険の非課税や仕入税額控除ルールを見直し

銀行のQR決済アプリ画面
(C)THANH NIEN

ベトナム政府は6月20日、付加価値税(VAT)制度に関する新たな政令を施行した。

今回施行された政令第144/2026/NĐ-CPでは、生命保険などのVAT非課税対象の拡大に加え、企業実務への影響が大きい後払い・分割払い取引における仕入税額控除の要件が見直されている。

生命保険などがVAT非課税に

新政令では、VAT非課税の対象として新たに以下の保険サービスが明確化された。

  • 生命保険
  • 医療保険
  • 学生・生徒向け保険
  • その他の人を対象とした保険サービス
  • 家畜保険
  • 農作物保険
  • その他の農業保険
  • 漁船や漁業設備など漁業関連保険

これらは6月20日以降、VAT非課税として取り扱われる。

鉱物資源の輸出対象も見直し

政令では、鉱物資源や天然資源の輸出に関する対象品目も見直された。

政府は引き続き、未加工資源の輸出抑制方針を維持し、新たな対象リストへ変更した。

必要に応じて、商工省が対象品目を見直し、財政省を通じて政府へ改正案を提出する仕組みとなる。

売上高の算定方法も変更

総売上高の算定基準についても新たな規定が追加された。

対象となるのは、

  • VAT課税対象売上
  • VAT非課税売上
  • 金・銀・宝石などの売買・加工による付加価値(マイナスの場合を除く)
  • 財政省が別途定める対象売上

などである。

一方、金融機関や外国銀行支店、証券会社、保険会社などについては、それぞれの業法に基づき売上を算定する。

後払い・分割払い取引のVAT控除ルールを変更

今回の改正で企業への影響が最も大きいとみられるのが、後払い・分割払いによる商品・サービス購入時の仕入VAT控除制度である。

新制度では、購入額が500万VND以上の場合、

  • 売買契約書
  • VATインボイス
  • 非現金決済を証明する書類

をそろえることで仕入VATの控除を受けることができる。

支払期限前なら控除を維持

支払期限がまだ到来していない場合は、非現金決済の証明書類がなくても、一旦VAT控除を受けることが認められる。

しかし、契約で定めた支払期限を過ぎても非現金決済の証明書類を提出できない場合は、その対象分について控除済みVATを減額修正しなければならない。

後日支払えば再び控除可能に

今回の改正で新たに追加されたのが、この点である。

支払期限後に非現金決済を行い、証明書類がそろった場合には、その時点の課税期間に改めて仕入VAT控除を申告できるようになった。

従来の政令第181/2025/NĐ-CPには、この再控除に関する規定が存在しなかった。

企業からの要望を反映

2025年後半には、多くの企業が税務実務上の問題に直面していた。

契約上の支払期限までに銀行振込などの非現金決済が完了しなかった場合、企業は仕入VAT控除額を減額修正していた。

その後、実際に銀行振込を完了しても、一部の地方税務当局では、

「期限後のため再控除は認められない」

との運用が行われており、企業から改善を求める声が相次いでいた。

今回の改正では、この実務上の問題に対応し、後日適法な非現金決済が確認できた場合には、改めてVAT控除を認めることが明文化された。

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