ベトナム南部フーコック島で発生した観光高速船の転覆事故を受け、7月12日、多くの観光船や高速船が自主的に運航を停止した。行政当局による運航停止命令ではなく、各事業者が乗客の安全を最優先して判断した措置である。
港には多くの観光船が停泊
12日、フーコック特区(アンザン省)のアントイ国際港では、多数の観光船や高速船が港内に停泊し、通常であれば多くの観光客でにぎわう桟橋にも人影はほとんど見られなかった。
当日の港周辺は風も比較的穏やかで波も高くなかったものの、多くの事業者が運航を見合わせる判断を下した。
「安全のため運航を見合わせた」
複数の観光高速船を運航する事業者の代表は、自社の船舶は登録上、風力5程度まで運航可能であり、当日の気象条件だけを見れば運航自体は可能だったと説明する。
しかし、前日に発生した転覆事故を受け、「万一の事態を避けるため、安全を優先して運航を停止した」と語った。
すでに利用客や旅行会社には運航中止を通知し、受け取っていた予約金についても返金対応を進めているという。
他の事業者も自主判断で運休
別の観光船事業者も、行政から運航停止の指示は出ていないものの、自主的に全便の運航を取りやめた。
同事業者は、日頃から気象当局の予報を確認して運航判断を行っており、「安全確保が何より重要であり、事故の再発防止を最優先に考えた」と説明している。
安全管理への関心が一層高まる
今回の運航停止は、前日に発生した観光高速船の転覆事故で15人が死亡する痛ましい事故を受けたものである。
事故原因については現在も当局による調査が続いているが、観光業界では安全管理体制や気象判断、運航基準の見直しなどへの関心が一段と高まっている。



















