ホーチミン市が公共交通網の再編を進める中、バスの専用・優先レーンを整備する方針に注目が集まっている。市が新たに定めた公共バス運行管理の規定では、都市部におけるバスの優先通行や、一部区間での専用レーン・優先レーンの整備が盛り込まれた。
市民からは、公共交通の利便性向上に向けた取り組みとして歓迎する声がある一方、現在の道路事情を考えると専用レーンを設けるための空間確保が難しいとの指摘も出ている。
2030年までにバスを100%電動・グリーンエネルギー化
ホーチミン市は2030年までのロードマップとして、バス車両を100%電気またはグリーンエネルギーを利用する車両へ移行する方針を示している。
また、障害者を含む誰もが利用しやすい公共交通を目指し、アクセシビリティに関する技術基準を満たす車両の導入を促進する。公共交通車両のうち、障害者向けの支援設備を備えた車両の割合を最低15%とする目標も掲げている。
さらに、鉄道駅、空港、長距離バスターミナル、市中心部など主要な交通拠点を結ぶバス路線網を優先的に整備する方針である。
バスを優先する交通体系へ
新たな規定では、都市部の交通運用においてバスを優先する考え方が明確に示された。
バスについては、歩道に近い車線の優先利用や、バイクとの混合通行を認めるほか、道路のインフラ条件が整った区間では、バスなどのための優先レーン、専用レーンを設けるとしている。
これに対して市民からは、バス専用レーンの整備を積極的に支持する声が出ている。
ある市民は、人口が集中するホーチミン市では専用レーンの導入によって当初は自動車やバイクの利用者に不便が生じる可能性があるものの、公共交通への転換を促すためには必要な取り組みだと指摘した。
海外の大都市ではすでにバス専用レーンの導入実績があり、ホーチミン市もこうした事例から学ぶべきだとの意見もある。
最大の課題は道路空間の確保
一方、専用レーンの実現には大きな課題もある。
現在のホーチミン市では、バス専用レーンを設置するための十分な道路幅を確保できる区間が限られている。ホーチミン市民からも、「現在の道路状況で、どこから専用レーンを設けるためのスペースを確保するのか」と疑問視する声が上がっている。
特に自動車やバイクの交通量が多いホーチミン市では、既存の車線をバス専用に転用すれば、一般車両の通行スペースが減少することになる。
そのため、バス専用レーンを増やすだけではなく、道路整備や交通管理を含めた総合的な都市交通政策が必要となる。
公共交通を支える統合的な交通システムが必要
市民からは、専用レーンの整備だけでなく、公共交通全体を一体的に運用する仕組みが必要だとの意見も出ている。
バスを主要な交通拠点と効率的に接続するには、路線網の再編に加え、運行管理や乗り換えなどを含めたスマートな交通システムの構築が求められる。
また、バスの速度や利便性が向上すれば利用者が増える可能性があるとの期待もある。
ある読者は、現在でも無料バスの利用登録などに多くの市民が集まっていることを挙げ、専用レーンによってバスがより速く、便利になり、路線網の接続性が高まれば、公共交通への需要はさらに拡大するのではないかと指摘している。
都市計画に公共交通を組み込めるか
今回の規定を巡っては、公共交通の将来像を都市計画そのものに組み込むべきだとの意見もある。
単にバス専用レーンを設けるだけではなく、将来的な公共交通網を前提として都市空間を整備し、道路や周辺施設の設計段階から公共交通を優先する仕組みが必要だという考え方である。
ホーチミン市が今後、公共交通を都市交通の中心に据えていくのであれば、バス専用レーンについても「可能な道路だけで整備する」という発想から、都市計画の段階で公共交通のための空間を確保する仕組みへ移行できるかが重要になりそうだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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