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ベトナムビジネス情報Vol101|
Feel Japan in Vietnam 2018

日本を紹介するイベント「Feel Japan in Vietnam 2018」が7月14日と15日の2日間、ホーチミン市のWHITE PALACEで開催された。今回で4回目。出展ブースは前回の56から90、来場者は約1万7000人から約3万人へと倍近く増加した。

幅が広がる日本のショップ

初日9時の開場から、大勢のベトナム人が押し寄せた。若いグループやカップル、小さな子どもを連れた家族連れなどが、昨年より広くなった会場の各ブースに群がる。多少の差はあっても来場者のいないブースはなく、人だかりが多いと商品が見られないほどだ。
 受付を済ませて入るとショッピングゾーンの化粧品ブースが迎える。まずは日焼け止めのANESSAとKOSE。KOSEは肌用のジェルやマスクなどを「Buy 2 Get 1」で販売。価格に魅かれたのか担当者に質問を投げかける若い女性が多く、会話の様子はまるで市場でのやり取りだ。向かいには桃谷順天館が化粧品を並べ、数多い商品をベトナム人女性が手に取る。
 先へ進むと高級チョコレートのROYCE。小さな試食品を配っており、包装された35万ドンのチョコレートボックスが良く売れていく。その隣はタニタで、薄型の体脂肪計を展示。チョコレートや化粧品に比べれば地味な商品だが、子ども連れの母親が担当者と熱心に話し込んでいる。
 もう少し中央の近くになると美容・健康系のブースが目立つ。TOKYO BEAUTY ARTはヘアやメイクのアーティストたちが実演で来場者の髪を整え、メイクを施す。Sakura Beautyのブースでは白衣を着た担当者たちが肌の測定機器で来場者の顔をチェック。順番待ちの若い女性が鈴なりだ。

浄水器のトレビーノは代理店のNASK VIETNAMがアピール。Vice Presidentの青木勇介氏は反響の大きさに驚いていた。
「健康や美容に関心が高いのでしょうね。お子さんの健康を心配するお母さん方もよく見られます。用意したチラシがなくなりそうなので、これから会社に戻るところです(笑)」
 文具では、PLISが恒例のダーツゲームで文具を配り、子どもと親が人だかりを作る。三菱鉛筆は色鮮やかなボールペンなどを展示。どちらもデザインセンスが良く、機能的で、ローカル製品よりは高めでも買えない値段ではないのが共通点か。
 お馴染みのライオンのキャラクター(着ぐるみ)と和服のベトナム人女性が迎える生活消費財のライオン、昨年発売した「カラムーチョ」が飛ぶように売れている湖池屋など賑やかなブースがある一方、中年女性が長く話し込んでいた胃薬の「太田胃散」、興味深そうに手に取る人が多いお香の「日本香堂」、リーズナブルなアクセサリーショップ「お世話や」の隣に出展した高級アクセサリー「田辺真珠」など、一般のベトナム人にはまだ馴染みが薄いだろう商品にも人々は集まっていた。

手軽なフードに長い行列

 こうしたショップゾーンに劣らず人だかりを作っていたのがフードゾーンだ。入口側から見ていくと、ローカル企業のSATRAは「天ぷらの世界を知ろう。」と掲げて、揚げたての天ぷら盛合せをその場で販売。4~5品のセットで3万5000ドンと味覚と財布に訴える作戦に、ベトナム人が長蛇の列を作る。
 その隣は源吉兆庵。和服姿のベトナム人女性が和菓子を元気よく販売し、これまた和服のハンサムなベトナム人男性が抹茶チョコの試食をサービスする。その次はBeard Papaが焼き立てのドーナツを売り、隣は信州ハムが焼きたてソーセージを販売。その隣はちよだ鮨で、ロール鮨やサーモン鮨などを並べている。ちよだ鮨はマグロの解体ショーも披露する熱の入れようだ。


 他にもフジミツは作りたてのおでんを販売。熱くも寒くもない会場だったが、湯気の出ているおでんは食欲をそそる。キッコーマンは巻きずしと醤油を使った焼き料理を作る。
 手軽に食べられるものが多いからか、昼時になるとどこもかしこもかなりの行列。これらのブース前には数多くのテーブルが設置されて飲食ができるのだが、空席が探せないほどだった。
 変わり種は鳥取県のブリリアントアソシエイツが展示していた「ピンクカレーうどん」。県の名産野菜ピーツとカレーを麺に練りこんだピンク色のうどんで、日本で大人気なのだとか。食べるとカブに似た香ばしい風味とカレーの味わいが広がる。他にもピンクのカレー、醤油、わさび、日本酒などがあるピンク三昧。販売する若い女性は少女漫画の「貴婦人風」衣装で、これは商品のイラストキャラクターを真似ている。
「初めての出展です。ベトナムの方に受け入れていただけるかどうか不安ですが、ベトナム人はカレーが好きですか?」と福嶋登美子社長に逆に聞かれてしまった。

トラベルブースはお祭り騒ぎ

 会場は大きく2つのエリアに分かれ、もう一方がメインステージが設置されたトラベルゾーン。2つの会場をつなぐ広い通路には、入口のすぐ先にANAが大きなブースを構えて、バーチャルリアリティ機器でフライトシミュレーションを見せる。ハウスフーズはジャワカレーの試食品を配り、味の素は自社商品のインスタント抹茶カフェなどをカップで提供。Kilalaショップが各種のグッズを販売していた。
 トラベルのエリアは一般的に、ショップやフードに比べると来場者は少ないものだが、こちらのゾーンにもベトナム人が多くいた。主催企業でもあるSong Han Tourist(H.I.S.のパートナー)は壁に沿って長いカウンターを作り、その場でツアーを販売。何人もの若いスタッフたちがドラえもんのぬいぐるみで来場者の興味を引く。JTBは入口近くの良い立地に大きなブースで出展、数多くのツアーを用意していた。
 黄色をメインカラーにした派手な色彩のブースはドン・キホーテ。訪日旅行の際に来てもらおうという、インバウンド需要掘り起こしのためのPR出展だ。数の多さで目立ったのは日本の自治体。凝ったパンフレットを用意し、揃いの半被を着て、それぞれの個性をアピールする。


 幅広のブースで展開した三重・伊勢志摩は黒装束の伊賀忍者も登場し、何種類ものパンフレットを配って魅力を紹介。鳥取県は名探偵コナン、ゲゲゲの鬼太郎、カニ料理で特徴を出す。東京スカイツリーはスカイツリーのトリックアートを用意し、日光江戸村は町人姿のカップルが対応。北海道の紋別市は当地の名産という乾きもの「ホタテ貝ひも」を配る。
 このゾーンにはアトラクション用のステージがあり、始まるとショーが見えないほどの人の山ができた。前回に続いて日光江戸村の忍者ショーと花魁ショー、ベトナムで初となるけん玉パフォーマー「ずーだまんけ」、ドラえもんとそのファミリーのショー、ちよだ鮨料理長による日本産マグロ解体などが開催され、フード、ショッピング、トラベル各ゾーンからライプ中継も。加えてベトナムの人気歌手、Huong TramとDan Truongのミニライブもあり、両日の最後には日本ツアーが当たるラッキードローと盛りだくさんだった。

来場者急増の理由とは?

 今回の来場者は約3万人、出展ブースは合計90。複数のブースを組み合わせた場合もあった、ショッピングゾーン31、フードゾーン9、トラベルゾーン45となった。これほど盛況となった理由を主催したKilala Communicationの取締役社長、笠戸公文氏に聞くと、「ベトナムの経済の好景気」、「4回目となるFeel Japanの認知度向上」、「PR戦略の変更」と答えてくれた。
「今年からPRをオンライン中心にしました。弊社の雑誌『Kilala』のFacebookはもちろん、VNエクスプレスなどベトナムのメジャーなオンラインサイトで記事を配信し、Googleアドワーズも活用しました。運営を依頼した弘亜社ベトナムさんのバス広告も効いたと思います」
 今のPR手法は従来の日本的なものから、ベトナムに合わせた、ベトナム人向けのタイプにシフトしつつあるという。チケットもオンラインでの登録制に変えて、事前に約3万人が登録。他に招待状として約5000枚、ファミリーマートのレシートでの交換を約7000枚を用意した。合計で4万2000枚となるが、それでもここまで人が来るとは思わなかったと振り返る。
 笠戸氏は「昨年の後半から、ベトナム人の消費の実行力がグンとアップしてきた」と実感している。今年になっても「値踏みをせずにサクッと商品を購入する」姿が多くなってきたと語り、それはまさしくFeel Japanの来場客にたびたび見られた姿だ。
「私は2018年が、ベトナムが消費国になっていくターニングポイントの年になると感じています」