ホーチミン市では9月30日夜、大雨と高潮の影響により、トゥードゥック地域やゴーバップ、タンビンなど市内各地で深刻な浸水が発生した。住宅への浸水や車両の立ち往生など、市民生活にも大きな影響が出た。
ホーチミン市当局は、抜本的な浸水対策事業が完成するまでの当面の対応として、排水路や下水管の清掃・浚渫、河川への排水経路の確保などを進めるとともに、浸水地点への人員配置を強化している。
住宅や道路が深刻な浸水被害
9月30日夜、旧トゥードゥック市地域では、リンドン、リーテースエン、トーゴックバンなどの道路が、数時間にわたる大雨によって大きく冠水した。
特にリンドン、リーテースエン、トーゴックバンの3路線では、水が滝のような勢いで流れ、住民がバイクや車から降りて押しながら移動する場面も見られた。
トゥードゥック区の11号通りでは、これまでにない規模の浸水が発生し、場所によっては水深が1メートルを超えた。翌朝になっても道路や周辺の路地では深い浸水が続き、住宅から避難する住民も出た。
冷蔵庫や洗濯機、自動車などの家財にも被害が発生した。84号路地では10月1日午前9時時点でも水位が50センチを超えており、住民はポンプなどを使って排水するなど、対応に追われた。
住民によると、11号通りは大雨の際に軽い浸水が発生することはあったものの、今回のように深く、長時間にわたって浸水したのは初めてだという。
ゴーバップやタンビンでも道路が冠水
旧ゴーバップ区、旧タンビン区でも9月30日夜、複数の道路が冠水した。
特にファンフイイック通りでは浸水が深刻となり、バイクだけでなくバスを含む多数の車両がエンジン停止に見舞われた。道路上ではバイクの座席付近まで水が達する場所もあり、深夜まで水が引かない状況が続いた。
ホーチミン市交通・技術インフラ管理センターによると、9月30日午後の大雨とその後の状況を合わせ、市内では12の道路で浸水を確認した。
浸水した道路は、ホーホックラム、テールア、クアンチュン、ファムバンチエウ、グエンバンコイ、レドゥックト、ファンフイイック、ファンバンホン、グエンバンクアなど、市北西部に集中した。
大雨と高潮に加え、工事も排水を阻害
今回の浸水について、ホーチミン市当局は主な原因として大雨と高潮の重なりを挙げている。
ハーフイザップ観測所では、45分間で79.2ミリの降雨を記録した。一方、周辺の排水施設は5年確率降雨に対応する設計となっており、3時間で86ミリを基準としている。また、当時の潮位は1.32メートルに達していた。
さらに、一部地域では進行中のインフラ工事によって排水能力が低下していた。
ファンフイイック通りでは、タムルーン‐ベンカット‐ヌックレン水路改修事業の工事に伴い、浚渫した土砂などが水路内に置かれたことで流れが狭まり、大雨の際に水位が上昇したとみられている。
水位の上昇によって既存の排水管へ水が逆流し、排水システムの機能が制限されたという。
同センターは現場を確認し、事業主体に対して水路内の障害物を速やかに撤去し、流水を確保するよう求めた。
また、グエンバンコイ通りやレバントー通りでも排水関連工事が進められており、工事による排水能力への影響が課題となっている。
浸水地域では緊急対応を実施
トゥードゥック区当局によると、11号通り沿いの66、84、114号路地などでは、大雨に加えて高潮が重なったことで住宅地への浸水が発生した。
周辺では複数の工事が進められており、その影響で水が住宅地へ流れ込んだケースも確認された。
当局は9月30日夜、警察、民兵、地域の治安維持部隊などを動員し、住民の家財の移動や住宅への浸水防止を支援した。
また、ホーチミン市の水利インフラ管理会社に対し、高潮を防ぐ水門を開けて河川へ排水するよう要請した。
道路の浸水については、堤防管理部門と各工事チームが連携し、排水管の詰まりを解消するなどの対応を進めている。
2026年は重点9事業を推進
ホーチミン市は2026年の排水・浸水対策計画で、9件の重点事業を完成させる方針である。
このうち、ファンバンホン通り、ビンクオイ通り、国道51号線とフイン・トゥック・カン通りの交差点周辺の3カ所について、深刻な浸水問題を解消することを目指している。
一方、旧12区、旧ゴーバップ区、旧ビンタン区、旧タンビン区などを含むサイゴン西部流域では、排水・排水処理システムの改善と気候変動への適応を目的とした事業が承認された。
この事業の総投資額は約7兆7,000億VNDで、約3,500ヘクタールの流域における排水能力と排水処理能力の向上が期待されている。2029年の完成を予定している。
当面は浚渫や清掃、浸水地点への人員配置で対応
抜本的なインフラ整備が完了するまでの間、残る浸水地点については、排水設備の維持管理や浚渫、水路の流れを妨げる障害物の除去などが中心的な対策となる。
ホーチミン市交通・技術インフラ管理センターのグエン・スアン・ビン所長によると、排水システムの維持管理や浚渫は継続的に実施している。
特に浸水が発生しやすい地点では、雨が降った際に担当者を現場へ配置し、雨水ます周辺にごみが詰まっていないかなどを確認する体制を取っている。
工事中のプロジェクトについても、事業主体に対して水路を塞がないこと、排水溝を確保すること、排水管と集水ますの間に設けられた仕切りなどを適切に開け、排水能力を維持することを求めている。
ビン所長は、事業主体が対応せず、流水を妨げて道路の浸水を引き起こした場合には、建設局の専門検査部門と連携して処分すると説明している。
実際に、スエン・タム水路改修事業では現場検査を行い、排水システムの機能を損なう行為について対応したという。
ホーチミン市では大規模な浸水対策事業が進められている一方、事業完成までには時間を要する。市内では当面、既存の排水インフラを最大限機能させるため、浚渫や清掃、工事現場の管理、浸水地点への人員配置など、複数の対策を組み合わせる必要がある。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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