過去5か月間で工業団地は、アジア、ヨーロッパ、アメリカの投資家によるアプローチで賑わっており、新たな成長の勢いを取り戻しつつある。
デンマークのジュエリーブランドPandoraは、5月中旬にビンズン省のVSIPⅢ工業団地に新たなジュエリー加工工場を建設する覚書に署名した。これは、同社の3番目の加工工場であり、タイ国外としては初の製造拠点となる。
ドイツのFramasグループは、ドンナイ省のニョンチャック2にある2万㎡のレンタル工場の賃貸契約を締結した。Framasグループは、ナイキやアディダス向けに高品質プラスチック部品を製造している。
ドイツの潤滑油大手であるFuchsグループは、2022年第1四半期にバリア・ブンタウ省のフーミー3工業団地で2万㎡の土地を購入し、新たな工場を建設してベトナムでの事業を拡大させると発表した。土地の賃貸期間は55年で、90年以上の歴史を誇るドイツの潤滑油企業のベトナムへの長期のコミットメントを表している。
中部地方も多くの新しい投資家を引き付けている。アメリカのArevo Incはダナンハイテクパークに1億3500万USDを投資して、3Dプリンターの製造工場を建設したい考えだ。また、United States Enterprise社も1億1000万USDを投資してここに半導体製造工場を建設する予定だ。
一方、北部地域はシンガポール、韓国、台湾、日本などの投資を引き続き引き寄せている。これらの国の投資家は早くからベトナム市場に参入しており、北部工業団地での投資を拡大し続けている。
Capita Land Development(CLD)社は、今年の初めにバクザン省でCLDとしてベトナムでは初めて実施する工業団地、物流拠点、都市開発事業に10億USDを投資するという覚書に署名した。また、BWインダストリー社は、クアンニン省にあるDEEP C工業団地の7万4000㎡の土地を取得した。
タイグエン省は、2022年最初の2か月間だけでその期間の国内全体のFDI額の18.5%を占める9億2400万USDのFDIを集めた。中でも注目を集めたのは韓国のSamsungグループに属するSamsung Electro-Mechanics Vietnamによる9億2000万USDの増資だ。これによってタイグエン省にあるイエンビン工業団地への総投資額は22.7億USDまで増加した。
5月24日に開催されたベトナム工業用不動産フォーラム2022でも多くの専門家がベトナムがCOVID-19の抑制に成功し、ニューノーマル状態に移行してことで、今年に入ってからの5か月間で新たなFDIの大きな波が来ていると評価した。この新たなムーブメントによって、今後ベトナムの製造業界には多くの発展のチャンスが生まれるとみられている。
Cushman & Wakefield Vietnamのチャン・ブイ社長は、2022年にベトナムの工業団地に投資されるFDIには大きく分けて2つの流れがあると指摘する。一つは製造業による投資で、もう一つは製造業と物流を支援する工業用不動産への投資だ。
チャン・ブイ社長によるとここ数年の電子商取引の急増により、シンガポール、日本、香港、韓国の投資家はもとより、アメリカ、ヨーロッパなどの投資家もベトナムの工業用不動産市場へ参入しようとしている。2022年にベトナム市場へ投資しているグループは、より高品質な物流用地の確保を求める傾向にある。
Framas Vietnam社のファビアン・アーバン技術担当部長は、製造拠点にベトナムを選んだ理由として、ベトナムの施設が他の場所より優れていたと説明する。「新工場の設立はベトナムでの靴製造部門の発展に向けた当社のグループ戦略の一部です。」とアーバン部長は話す。
BW Industrial社のランス・リー社長は、ベトナムの工業用不動産市場は、今年新たな投資を受ける予定が数多くあると説明する。リー社長によるとベトナム製造業のPMI指数が7か月連続で成長している点は、今後に向けた良好なシグナルと受け止められている。
チャン・ブイ社長によると、ベトナムの物流市場はまだ発展の初期段階にあるが、ベトナム政府によるインフラ投資の強化によって今後5~10年の間に大きく成長する可能性を秘めている。また、可処分所得の増加による中間所得層の成長と電子商取引の急速な普及が物流市場の発展を力強く後押しするとみられている。
出典:25/05/2022 VNEXPRESS
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