ホーチミン市7区は、300ヘクタール以上の敷地面積を持つタントゥアン輸出加工区を、ハイテク産業と住宅、商業施設の集積地にしたいと考えている。
これは、6月28日に開かれた2045年を見据えた2030年までの7区の開発戦略に関するセミナーで、7区人民委員会のレ・バン・タイン副主席が明らかにした内容だ。タントゥアン輸出加工区は、約30年前にベトナムで初めての輸出加工区として開発され、ホーチミン市及び全国の工業団地と輸出加工区開発のモデルケースとされてきた。
タントゥアン輸出加工区は、10の街区からなり人口36万人以上を抱える7区の玄関口であるタントゥアンドン街区に立地している。この場所はサイゴン川に隣接しており、1区からは約5㎞しか離れていない。タントゥアン輸出加工区内の入居企業の70%近くは労働集約型の製造業となっている。現在、輸出加工区内の195ヘクタールの土地が工場や倉庫として使用されており、土地賃貸期限は2041年9月23日までとなっている。
タイン副主席によるとタントゥアン輸出加工区の存在価値は、もはや7区の開発の方向性と一致していない。さらに、区の予算収入への貢献が低く、立地条件と面積に見合った価値を生み出せておらず、環境汚染を引き起こしている。そのため、7区はホーチミン市に対して、早急にこのエリアを住宅地と商業施設を備えたハイテクエリアに変更することを求めている。この地域とトゥードゥック市のトゥーティエム新都市を繋げることで、サイゴン川の両岸に新たな開発地を展開することが出来る。
タントゥアン輸出加工区は、ホーチミン市南部に医療‐教育‐商業‐サービス‐観光の中心地を建設するという目標実現のために7区によって使用目的の変更が提案されている4つのエリアのうちの一つでもある。7区では、この目標を実現するために学校、大学、医療施設などの建設予定地として500ヘクタール以上の土地が必要だと考えている。
今回のセミナーでホーチミン市知的女性協会のチューン・ティ・ヒエン会長は、7区の開発を見直し、場合によっては製造業の開発を止める必要があると述べた。その上で、まずはこのエリアへの新規工場の建設をストップし、市内の別の地域または近隣省への工場の移転に向けたロードマップを作成する必要があると指摘した。
ヒエン会長は、タントゥアン輸出加工区について、加工や組立などの製造業からハイテク産業および自動化産業への転換を進め、組立や加工に従事する労働者の雇用を最小限に抑えるためのロードマップが必要だと述べた。長期的には、この地域は自動化設備、人工知能、ソフトウェアなどの研究開発センターに換えていく必要がある。
「このようにすれば労働集約型産業を抑制し、7区に出入りするコンテナ車の移動が制限され、スラム問題、交通渋滞、環境汚染などの解決につながるでしょう。」とヒエン会長は述べた。
ホーチミン市党委員会の元副書記長であるグエン・バン・ドゥア氏も同様の意見として、タントゥアン輸出加工区を、高いレベルの教育、医療、文化、ホテル、ビジネスの中心地に転換すべきだと主張する。なぜなら、この場所はトゥーティエム新都市の対岸に位置し、フーミー橋でつながっているので、トゥーティエム国際金融センターのバックアップエリアになれる可能性があるからだ。
この提案についてホーチミン市人民委員会のファン・バン・マイ主席は、ホーチミン市の都市再構築においてタントゥアン輸出加工区の機能性を再評価する必要があると述べた。同時に、7区はこの地域について今後も製造業の発展余地があるかどうかを再度検討する必要があると指摘した。
「タントゥアン輸出加工区の一般的な労働集約型産業を金融センターと繋がるハイテク産業の方向へ転換することは、今後必ず必要になるでしょう。」とマイ主席は話した。
出典:28/06/2022 VNEXPRESS
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